2013年7月23日火曜日

長崎 観光地ではない釣りさるく

さるく、とは長崎弁で散歩のこと。ぶらぶら歩きのこと。

ところがいつも通りの限られた時間。

レンタカーで超急ピッチの「釣りさるく」をしてきました。


いきなり水イカ。標準和名アオリイカ。

こうなったのはワケがありました。長崎空港着が18時30分。ここからレンタカーでしゃにむに北上。飲まず喰わず。

ハウステンボスにも目をくれず、早岐の瀬戸、針尾の瀬戸を渡り、西彼杵半島を横断。

向かった先は「崎戸大島」

五島灘に面した大島、牡蛎浦島、崎戸島。いづれも橋でつながっていますが先端の崎戸島に着いたのが21時過ぎ。

右も左も解らぬまま、とりあえず外灯のもとで釣り。イカ釣りになったのでした。


島に一軒のコンビニで飲食を買い込み、エンジンをかけたまま車中泊。

エアコンをかけてないととても暑くて眠れません。蚊にも刺されてしまいよく眠れませんでしたが遅い朝日とともに(九州西端なので日の出が遅い)行動開始。

胸おどる投げ釣り開始となりました。


島と島が狭まる海峡筋を狙う。

水が透き通り、まるでおおきな清流で釣りをしている気持ち。


とても威勢のいいアタリ。

フエダイの子どもでした。緯度や海流の影響なのか、子どもも南方系でした。


ドーンとよく肥えたベラ。ベラの女王の面目躍如? 

ご当地では、クサブ、クサビと呼び、とても人気の魚のようです。


さくっと釣り場を変更。

海峡筋の釣りは景色が抜群で飽きない。

でも水深は思ったより浅くて、魚たちは小さい。この時期だからでしょうか。

マダイの赤ちゃんが湧くように集まってきて、あっと言う間にエサはなし。

陽が昇るに連れて、汗のしたたるようになってきました。


掛かってくれる、ちびこいベラ。

エキゾチックな色彩に嬉しくなったりして。汗をふきふき。


崎戸島、牡蛎浦島、崎戸大島は、かつては海底炭田で栄えた島々。つまり炭坑の島です。

道路は立派だし、主要な港にはかつての隆盛を誇った施設があちこちに見え隠れ。

いまは、戻ってきた自然に風化されていくような情緒もありまして。


もっと時代を遡れば、キリシタンの歴史にいきあたります。

現在は、傾斜地の集落のなかに突然天主堂(カトリック教会)が現れる。

付属幼稚園の開園時間にも重なり、送り届けの保護者のみなさんからいぶかしげな視線をあびる釣り人。

撮影には注意が必要です笑。


それでも天主堂からは、穏やかな五島灘がみおろせる。

ゆるい潮風に吹かれて、いいとこだなあ。それでも、朝から照りつけの厳しいこと。


ちいさな港の潮溜まりにて。

魚たちがラジオ体操をしていました。マアジ? イサキの子ども?

ポトリと小石を落とすとみんなエキサイトしてくれます。

いいとこだなあ。陽はぐんぐんと持ち上がってまいりました。転進です。


3つの島々に別れを告げて、西彼杵半島を南下。

大瀬戸町から下った雪浦の浜辺。長崎県では数少ない幅のある砂浜のひとつだそうです。

浜辺の端には、こちらも数少ない清流の雪浦川。河口となる砂浜には、投げ釣りをする人がふたり。

でも、ここはパス。暑くて、砂浜を歩く勇気が湧かず。


雪浦川をちょっと遡ると河岸段丘にわずかな水田。

丘陵と海辺の近い長崎県では、こちらも数少ないお米のとれるところだそう。

苦労して水田を作った昔の方々の苦労が偲ばれる里山でした。


ふたたび雪浦川の河口に戻って投げる。

ここでもマダイの赤ちゃんが乱舞。なにもしなければエサだけ食べてくれます。

これでいいんです。エサを食べさせながら、育てながら釣る。

九州に来ると、太っ腹になっていく人間性。これがよかばい!


ただ、とにかく暑いので、崖下の日陰で竿をひきます。

日向はとてもじっとしてられませんが、影に入ると五島灘からの風の気持ちよか。

釣りは相変わらずのマダイの赤ちゃんへのエサやり。涼んだあと転進。


さらに南下の途中、海上に見えた池島。

こちらも海底炭田で栄えた島。長崎には、軍艦島で知られる端島をはじめ多くの炭坑の島がありますが、池島は21世紀まで採掘をしていたことで有名。

まだアジアの諸国から良質の石炭を求める声もあるそうです。

廃坑の島をこうして見つめながら、エネルギー問題を抱える日本をふと想ったり。


前夜、長崎空港を出てから20時間目。

長崎港に戻ってきたのは午後14時。湾口部の神の島の堤防から最後の釣り。

ちょっとフラつき気味でしたが、竿を握ると元気が出てくる。不思議なものですね。

左の奥に見えるのが最近話題になった女神大橋。長崎港をまたぐベイブリッジです。


堤防の後ろには、マリア観音。

長崎港に出入りする船舶の安全を祈っています。この神の島も歴史あるキリシタンの島とかで、真っ白な天主堂がありました。

マリア観音の見つめる先に見える赤いクレーンが、三菱重工の香焼島第二ドッグ。

戦艦武蔵を造った場所だそうです。

中国や西洋との玄関口、キリシタン、戦争、平和な時代。

まるで長崎を集約したような神の島で投げ釣りをしていたのでした。


小舟揚げの傾斜に舳先を並べていたのはペーロン。

中国のドラゴンボートですね。漁村、町内地区、企業、団体。各チームの意地とプライドを賭けたペーロン競争は、長崎のバトルシンボルのひとつとか。

この日南下してきた西彼杵半島のかつて水軍だったエリアが強いそうですが、最近は瀬戸内海からの遠征組もとても強いとか。

五島灘と瀬戸内海、やはり水軍文化は日本の海の男の象徴?


神の島の堤防で飛びかかってきたのはこれ。

エソでした。勇猛な魚ですもんね。そのあともう1尾。飛びかかってきました。

西日がじりじりと額を焼くように照るようになり、ここで釣りはジエンド。

大村湾にある空港までまだ距離もあるため、竿を仕舞うことにしました。


帰りに渡った女神大橋。

この開通で、長崎港の東西の通行が劇的に便利になったとか。

このまま高速につながるので確かに早いし快適。

でも女神という名前。NYの女神にあやかったのかもしれませんが、いっそのこと。

マリア大橋でもよかったのではと他所者の私は想ったり。


橋上からの長崎市街。

これまで何度か観光でやってきた長崎。市街地に立ち寄らなかったのは初めて。

道はみるみるうちに高速道へ入り、諫早を経て、空港のある大村へ。

22時間で下道ばかりを330キロ走って、釣りをしていました。

釣りなので観光地に寄らないさるくでしたが、いろんなモノが目に飛びこんできて。

また、きたか、長崎。よかねえ、長崎。


で。せめて最後ぐらい長崎らしいものを食べようと、空港1階にある長崎ちゃんぽん、皿うどんのお店へ。

生ビールも飲んで、揚げ麺バリバリ、太い麺をすすり。具のタコやナルトを噛んで。

うまかあ、おいしか。実物は? あっ? 撮るの忘れてました。飢えていたもので。

よかねえ、長崎。また行きたかです。

2013年7月13日土曜日

初めて釣ったイカに大興奮! イカったあ。

暑いですねえ。梅雨があけた途端、サウナに入ったような蒸し風呂の毎日。

うだるような日中を避けて夜釣りに行きました。仲間に教えてもらいイカの仕掛けなど投げましたところ、なんと、なんと。

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menu
1
ケンサキイカのゲソ墨あえ
2
ケンサキイカのリング揚げ
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こんな仕掛けでした。

スミイカテンヤと呼ばれるオモリと針が一体の道具。この上にシャコを縛り付けてあります。シャコはコウイカ目の好物だとか。

そこからモトスが伸びていて途中にスッテと呼ぶエビを模した仕掛け針を結ぶ。

和製のルアーと生のエサが一緒になった、いわばハイブリッドでしょうか。


夜になりました。

いつもどおりに投げる。あとはゆっくりサビいてきて、時折、とめて竿先を揺らせてみる。仲間に教わったとおりを繰り返す。

正直なところ、半信半疑でいました。こんな私にイカなんか釣れるはずがない。絶対無理。なんか退屈だなあ。いつもの天ビンを投げるほうがいいなあ。

ソーダガツオを釣った時も同じような気持ちだったことを思いだしながら黙々と。

そう、黙々と同じ投げ返しを続けていたのです。

そして、まさかの、その時が、来た!!!!


ちょっと止めていたところに、いきなりズシーンという衝撃。

え、なにこれ? とりあえず巻いちゃおう。と巻く。周りからは休むな巻け巻けと声かけられ、しゃにむに巻く。もう必死でした。

水面に白いモノが浮かび、ピシュッ、ピシュッっと抵抗されても巻きまして、一気に引っ張り付けて持ち上げたのがコレ。

アゼン、ボウゼン。イカでした。

上につけたスッテのほうに足が掛かってました。だからズシーンときたのか?

とにかく生まれて初めてイカを釣りました。コウイカ目のシリヤケイカだそうです。

頭部の後ろをぎゅっと締めるように持つと墨を吐かれないとか。とにかく感激、感動。

でもいまの時期のシリヤケイカ。これから産卵して死んでしまうと聞いたので、ここは情のようなものが湧いてきましてね。

海へ戻しました。

そして、この情けが、もしかしたら次ぎなる驚愕を生んだのか?


今度は、ムンズと掴まれたような感触がくる。

またまた巻く。必死、ひたすら巻く。水面にピシュッ、ピシュッが再び。

えいやっと上げたところ、今度のはカタチが違う。どよめく仲間と周囲のみなさま。

おおおおお、アカイカだあ、とか。正式にはケンサキイカ、なんですかね。とにかく、これは食べてみようと、締めてもらいことにしました。

せっかく釣った初めてのイカ、それ立て続けに。早く帰って食べるしかない!!!



マナ板に収穫物を置く。

じつはもう一杯、ちびこいイカも掛かったのです。これは放流しようとなったのですが掛かりどころがよくない。衰弱してしまっているということで、食べることに。

ありがとう、イカさん。


墨袋を丁寧に取り外して中身を出す。

ここにお酒少々でまろやかにして、軽く茹でたゲソをあえました。

イカスミあえ。しんなり、かつ、こりこりした歯触りと墨のうまさよ。

うまし! うまし! うまし! もう駄目。

釣りたて新鮮のゲソのうまさときたら。ハイボールがとまらない。


もう一丁は、筒の部分。

大、大、大好物のイカリング。ちびっこちゃんは丸ごと揚げました。

柔らかく、ジューシー。さすが釣りたて。ハイボールを一旦ビールに変えまして。

うまし! うまし! うまし! もう駄目。イカちゃん、イカ様、おイカ殿。

それにしても、私でも陸からイカが釣れたなんて。浸み渡るアルコールに幸福、口福。

はあああ、イカったあ。ごめん、オバンギャグ。

もうベベれけになって、やっとこさブログ書きました。

また、イカんとね。


2013年7月1日月曜日

関門海峡をさくっと投げてきました!

モントリオールに住む妹が私に作ってくれた当ブログ。

おかげさまで開設から一年。

そこを記念しましてちょっと遠出することに。

ありがとうね、ゆっこ!


午前中で仕事を終えたら午後から休み。

いそいそと新幹線に飛び乗りました。最近、西づいてます。ああ愛しの、のぞみ号。

いつもの特急旅ですが、1泊2日で目指すは小倉。釣り竿を携えてホームに立つひととき。


約5時間弱で小倉に到着。

半分以上は寝てましたが、身体を揉み解そうとレンタカーでさっそく小倉港へ。

西日は暮れて、釣りをしている人たちを見学。これから、チヌ、コウイカを狙う方々が多かった。

しかし私は疲れがどっと出てきてしまい、このまま予約したビジネスホテルへ。

いつもの車中泊でない、小倉はちこっとゴージャス?な釣り旅なのでした。


翌朝、関門海峡へ投げる!

場所は小倉からやや北上した門司の税関近く。とても足場のよい広大な埠頭が広がっていました。すがすがし! であります。


プルプルときて、キス。サイズは小さいですが、キス。うれしかー。

群れているのか、その後も掛かるのですがサイズが小さい。放してばかり。


まわりは、こんな感じの皆さん。クルマ横付け。

複数の竿をスタンドに掛けての待ち釣りです。

コイチ(グチ・イシモチ)やチヌ、スズキを狙っているそうですが、やはり夜釣りに分があるとのこと。

60号なんていう重いオモリにでっかいエサ(コウジ)をつけて投げていました。オモリが重いのは、潮の動く時間の潮の速さ対策とか。



場所を換えて、関門海峡大橋の下へ。

景色はいいのですが、ここはいかんせん、根掛かりのキツか。

「もっと飛ばせればマダイが喰うこともあっとよ」とは地元の方。

しかし、私にはとてもとても。転進。


折角だからと下関側に向かってみることに。

国道3号線が2号線に変わり、本州を目指します。トンネル内は片側1車線で天下の大動脈が妙に狭くて感動。


下関側はたいそう都会で、釣りのできる港湾が少ない。

現総理を輩出した土地ですからここでいっそドーンと釣り公園なぞ開設いかがですか?なあんて戯言を吐きながらやっと見つけた小さな堤防。


堤防ではコウイカが釣れていました。甲にリップマークのあるモンゴウイカ?

釣り方はとても豪快。冷凍のアジの尻尾に糸を結んで投げ込んである。そこに針が結んであり、イカが食べにきたら掛かる仕組み。

単純、明快、豪快。よかねえ、なんて想い写真を撮らせていただきました。


私といえば、ポツポツ釣ります。

キスは変わらず掛かるのですが、やはり小さい。他には↑こんなエソちゃんのようなとか。


ちびっこいメゴチちゃんが釣れてきます。つまり小さいけど、魚影は濃い。

さきほど門司側での皆さんがナゼでかいコウジをつけて投げていたかが解りました。

普通のイソメのエサだと、小魚にあっという間に食べられちゃうんですね。

さすが関門海峡。敢えて食べられにくいエサで待って粘るということらしいです。


下関、彦島の港湾部を走っていたら、路地端に時折目につく紫陽花。

そうですね、季節の花、うつくしか。脇見運転、注意であります。



遅い昼食をこちらのお店で。

み焼? なんだろう、下関の隠れ名物か? 店を出てから気づいたこと。

「おこの」が抜けていたのですね。納得。いいお店でした。

おばちゃんが優しい。


食べたもの、その1。

まず、うどん。西の蕎麦はどうしても私の趣向にあわない。だから、うどん。

きつねうどん。強い昆布だしと麺はやわらかめのコシ。

うまし! うまし!


食べたもの、その2。

ちゃんぽん。本場長崎から下関までは約250キロ。海峡を越えても味はいかがか?

興味本位で頼んだものの、こちらもうまし!

炒めた野菜のシャキシャキ感に頬もほころんでしまいました。


お腹も張ったしということで、門司、小倉へ戻る。

高速道路に乗って関門海峡大橋をひとまたぎ。ふたたび九州の地へ。


小倉の街で見つけたコンビニ、ベストマート。

えっ、この名前とこのマーク。どこか、かの有名な電気屋さんと関連あるのでしょうか。

見知らぬ土地へ行くと、コンビニエンスにも新しい発見があったりしますね。

ちなみに私は、北海道のセイコマートが個性的で大好きです。


小倉港で投げる。

想えば、小倉とその周辺は北九州工業地帯のまっただ中。

その水際にも、暮らしている魚たちがいる。けなげな姿を目の当たりにして感動することしきり。

東京湾にも等しくリンクする感情なのですが。

帰途の新幹線の時刻ぎりぎりまで、私は竿を振りました。