2017年12月29日金曜日

冷凍庫一掃で最高釣魚をいただく

年末恒例は、冷凍庫の釣魚をいっきに調理、おいしくいただいて、2018年を迎えます。


メニューは2種類。


底生魚たちを入れた味噌風味のけんちん汁(メッタ汁、なんでも汁)


マダイ、ヘダイの、鯛炊き込みご飯。

解凍、水を流しながらのウロコ取り、手早く、シンプルに、を心がけました。


底生魚は、キス、カワハギ、トラギス、キュウセン、メゴチ、ウミヒゴイ、ベラ。

産地は、内房、三浦、駿河湾、新潟。

持ち帰った魚を、急速に冷凍させて保存したもの。

まずは解凍させてワタ抜き。冷凍の技術におんぶにだっこの調理ですが、

これで、釣れた時の思い出なども、解凍されて、蘇ったりする楽しみがあります。


けんちん汁の、材料

ニンジン、ゴボウ、ダイコン、コンニャク、長ネギ。

湧いたお湯に、これらを入れて、魚たちは最後。

味付けは、白だし、味噌を薄めに溶いて入れていきました。



味の決めては、味噌を、あくまでも"薄め"にしていること。

魚たちは、どれも白身で、淡白な味が多いために、この点に注意しました。

キス、カワハギ、キュウセン、、、それぞれの魚の微妙な味を楽しめること。うまし!

もっとも、ワタを抜いただけなので、小骨には気をつけました。


炊き込みご飯のタイは、駿河湾産、ヘダイは、南紀白浜産。

ウロコを取り、ワタを抜いて、軽く塩をふって素焼き。

焦げ目が軽くついたあたりで、米2合と水を入れた土鍋に入れました。日本酒少々。

トロ火から開始して、次第に火力を強めて、吹きこぼれたのち弱火。

タイから滲み出す味と匂いをできるだけ封じ込めることがコツなのではと思います。


米が、焚かれて蒸されたことで、キツネ色になると仕上がり。

鯛を取り出して、身から骨をキレイに取り除き、米に混ぜ合わせる。

ここでもう一度、蒸らす時間を置いて。

刻んだ万能ネギをふりかけたら、出来上がり。

決めては、やはり薄味であること。

振った塩の量を極力抑えることで、マダイ、ヘダイ、それぞれの風味の違いを味わう。

ヘダイのほうが、なんとなくですが、ワイルドな食感でした。


冷凍庫の釣果をいただいたところで、今年の〆め。

取り出した"鯛のタイ"は、とても可愛くて、しばらく見とれてしまいました。

まだ、やるべき仕事は残っておりますが、2017年は鯛めしでお開きに。

中身がカラになった冷凍庫に、2018年の新入荷は果たして、どんなお魚?

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2017年12月26日火曜日

東京湾で竿納め

2017年も残すところわずか。都内のメンバーで、久方ぶりに集まりました。納竿の儀?


休日だけ、お目こぼしで入れるらしい? 東京湾岸の某所に珍しく早朝より集合。

メンバーは、私、ぶチョー、フジタさん、ヒツジの4名、いつもより平均年齢が高め。

で、久しぶりに集って期待も高まったのですが、よりによっての強風下。

陸地側から海上へ吹き抜ける猛烈な風を背中にしながら耐える状況でした。

ちなみに、私はカッパ上下を玄関に置き忘れて、ぶチョーより貸して貰いました。


フジタさんは、葛飾区亀有からバイクでソロリとやってきました。

東京湾の散策、釣り場めぐりはバイクに限るのだとか。

釣り場での置き場所、渋滞対策、時間も読める。

日頃のうざったい電車通勤から解放されてのひととき。

釣りとバイクは、こころの新大陸、地上を駆ける自由の翼なのだそうです。

どこかの会社の、受け売りだそうですが、、、、、、、、。

バイクにさらりと竿をくくりつける、ロッドホルダーを装着。


私は、こんなの作ってみました。

いただきモノの、若狭名物、小鯛の笹漬け。

木製の小さな桶に糸を通しての、エサ入れとしての活用。

木地の肌触りや香りがイソメたちには好評のようで、なんとなくエサ元気。

ちなみに、福井県敦賀市ご出身のぶチョーの熱視線を浴びておりました。


昨年秋、内房の勝山にて、投げ釣りでミノカサゴを釣る珍芸を披露した、ぶチョー。

風をなんとか避けようと、東京湾岸でも瓢逸な動きを見せております。

しかし、水路を吹き抜けてくる、風の強さ、冷たさ、回り込んで絡むしつこい動き。

我慢、根性、忍従、気合い、克服、辛抱、、、釣りとは、耐えることか。

逃げ場を求めて彷徨う釣りオジサンのいじらしさ?


この日の集いにて、とりあえず、狙っていたもの。

左上の2魚種は必ず居るはずだし、釣れる確率が高い、、、、と信じてはいました。

ちなみに、右上のカワハギに似た子も、とても高い実績を誇ります。

30センチ近い大物が掛かったこともありました。

運河のなかまで、不思議な生態系を見せる東京湾です。

(近隣にある葛西臨海公園の案内板より接写、拝借)


もっとも、それは魚を含めての、生態反応があってのことでありますが、、、、。

最近いかがですか? 息子さんは? 娘さんは? あらま。あれや、これや。

次第にこうした世間話ばかりが多くなる、風を背に、ちぢこまりながら、の季節かな。

これはこれでいいのです、みんなそういう年齢に来たということですね。

時々、竿先が動いて、揺れて、、あああ、あれっ? 風のせいか。


むむむ、なんだこれは?

リールを巻けば巻くほどしなる竿、重い重い重い!!!! やった?

マダコ、カニ、引きのないアカエイ? それとも、動かないカレイ? なワケない。

正体見たり、浮上の枝、、、この日、唯一のエキサイティングな場面でした。


陽が高くなりフジタさんは、早退。これからお墓まいりなのだとか。

年も押し迫って、いろいろと忙しいようですね。

それを機に、私とぶチョーは、深みを求めてより幅の狭い運河へ移動。

粘って、ちょっとはあがいたのですが、さすがに強風に嫌気がさしてきて。

退散、ぶチョーのご自宅にあがりこみ、奥サマからお昼をご馳走になりました。

ご無沙汰を恐縮しつつ談笑、これもまた、ああ、よき休日となった次第であります。


ところで、納竿の日に魚がまったくないというのも味気なし。

再び、近隣の、葛西臨海水族園で暮らす、底生魚の皆さんにご登場願います。

手前のホウボウは、かなり難しいかもしれませんが、マコガレイとニベは、、、、、。

きっと居る、居るはず、ムカシ釣った、と騒ぐヒツジの悪あがきにて、今回はおひらき。

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2017年12月16日土曜日

外が浜町 浜乃食堂 2017師走

ご無沙汰すること1年ぶり! 津軽半島・平舘海峡の漁港にある浜乃食堂へGOGO!


新青森駅を去っていくはやぶさ号を見送る。

シンと鼻を突く冷気と粉雪に、津軽の匂いを思い出しました。

午前中の仕事を終えて乗る東北新幹線が新青森に着くのは17時前。

すっかり暗くなった雪道をレンタカーで走り出しました。


国道280号線を北上すること1時間ちょっと。

蟹田の町を過ぎて、さらに陸奥湾に沿う道を走ると外が浜町の平舘漁港に着く。

この日はちょうど定休日だったのですが、灯りが点けられている店内におもわずホロリ。

降り積もった雪が、きれいに除雪されていました。


出迎えていただいた、マスターとママと。

昨年末に、青森市本町でオープンした息子さんのお店『匠や』に駆けつけて以来。

その時の模様→http://macobusa.blogspot.jp/2016/12/dna.html

 さっそく、生ビールがなみなみとつがれて、旧交をあたためつつ、のどを潤すのでした。


いきなり津軽 外が浜町の海の幸がどっさり。

ヒラメの活けじめ、マダイ、イカ、鮭イクラの醤油漬け。

おいしいお刺身を、目一杯いくわけなのですが、みずから注意を促しました。

今日は、1時間で轟沈しては、なりますまい!!!

生ビールとハイボールを主軸に、ちびりちびりと、控えめに行きます。


あれっ? 休みなのにどうして灯りが点いているの?

というタイミングなのでしょう、お隣のお馴染みさん、ジュンさん(左)が加わり。

シーンと静まりかえっていた集落に、談義の花咲く師走かな。

津軽半島、外が浜町、平舘漁港、浜乃食堂の宴、はじまり、はじまり〜〜〜〜。


昨年は、地域油川の銘酒「田酒」を特大コップ酒で何杯もいただき、人事不肖に陥る。

2年連続でそうなっては、まこぶさ食堂の店主としての面目が立たぬ。

ブレーキをかけながらアクセルを開ける感じでしょうか。

さしずめ、外は雪道ですので、スタッドレスタイヤの効き目を確かめながら走る印象?

えっ!? ジュンさん、明日は検査ですか? えっ? 飲食のリミットは夜の9時まで!!

素晴らしい、その飲みっぷり、お客あれば、胸襟を開いて、、、飲んで、語るのです。

外が浜男児の、鏡なり、粋と信条なのでしょうか。


興の乗ってきたジュンさんが持ってきてくださった林檎と柿。

ジュンさんの奥さんが弘前の方ということで、津軽の冬の色彩が揃いました。

まわった酒精の脳髄や胃の中に、シャキシャキと響く林檎、まったり甘い柿。

うまし! これもよし、津軽弁で「めぇ」もんだ。めぇ、めぇ、を、連呼!


 外が浜男児といえば、この一冊。

『外が浜の男』

暮らし、文化、歴史、人情、気質などを、ざっくり学ぶ機会におすすめ。


恵子ママに、得意技の抱きしめ攻撃をかます。

思えば、今回の津軽行きは、ママのご様子うかがいもありました。

今年、なんと腰椎を圧迫骨折、、、

女性には重ねた年齢による致し方ない症状ではあるのですが、

入院により浜乃食堂を約2ヶ月にわたり休むことになりました。

それをお聞きして、オロオロになっていた私。


亘マスターにも、抱きしめ攻撃をかます。

料理長(ママ)の戦線離脱を受けて、孤軍奮闘、東奔西走。

雪の降り出す季節になんとか、今年中にママが復帰。

ふたりで、ここからの再起動を目指すのでした。

明日は、マスターに、外が浜町の漁港を案内していただきます。


目覚ましは、除雪車の唸るエンジン音。

雪国の漁港の朝の音は、とても新鮮な音律と振動でした。

浜乃食堂の裏手が、平舘漁港、雪がやんで、東の空が明るんできていました。

カラスやカモメの声が聴こえてきます。


店の前で活躍するのは、お店所有の除雪機。

雪が固まったり、溶けてくると、雪をはねとばすのが難しくなってくるとか。

今年は早い時期から積雪が多く、マスター、ママは、苦労されているようです。


漁船の浜小屋と呼ばれるガレージにやってきました。

傾斜式の船揚げ場に建屋が造られている様式で、2階や側面が作業場。

これが、陸奥湾、外が浜スタイルの浜小屋でしょうか。

外が浜町は、ホタテの養殖が盛んですが、沿岸、近海の定置網漁も行われています。


建屋の、屋内から海側を見たところ。

沖合で作業している船が見えることもあります。


建屋の側面が、作業場。

帰ってくる船を、いまか、いまかと待っているところ。

マスターのおかげで、素晴らしい「大人の社会科見学」のはじまりです。


漁を終えた船が戻ってきました。

後進しながら近づいて、あとは巻き上げるロープで引き上げてきます。

収獲された魚たちの姿や臭いを察知したのか、待っていた鳥たちが騒ぎ出しました。

海の左端にちょっと写っているのが、下北半島の脇野沢付近。


獲れた? どれぐらい獲れた?

魚を待つ人間たちは、おもわずソワソワしてしまう。

いつの間にか、港を守る女性陣も増えてきていたのでした。


船上には、収獲がどっさり。

それでもマスターによると、予想の量の4分の1ぐらいではないかと。

アジやイナダなどの回遊魚が減って、つまり、冬の魚との端境期にきた模様。

船釣り(遊漁)と同じ場所での定置網のため、獲れる魚の種類もまったく同じ。

陸奥湾、平舘海峡の釣り人気ぶりが、よく解る魚たちがよく獲れていました。


よく太った、マダイとマダラ。

その下に見える、スズキの太さには驚きました。

いったい、ナニを食べたらそんなに肥えるのか? と聞きたくなるぐらい。

と、思ったら、スズキではなく、アラでした。納得。あらら。


ヤリイカは、やや小ぶりですが、数獲れていました。

生きているので、透き通っております。


クロソイ。

とにかく、でかいのがワンサカいました。

口のなかに、チャリコを4つ5つと詰め込んでいるモノも。腹パン。


大本命様の親戚ウマヅラハギもたくさん獲れていました。

本カワハギに比べて、少し深いところに網がかけてあるからでしょうか。


船上、作業場は、まさに鉄火場、ヤッチャ場。

鮮度が勝負、スピードが命、作業に集中する外が浜の男と女たち。

ちなみに、マツカワガレイとヒラメは活魚のまま運ぶため、

水槽を載せたトラックが即座に飛び出していきました。


平舘海峡の最大深度は、約200mぐらい。

大陸棚の始まりぐらいのため、乗っ込み時期のアンコウも上がるそう。

外が浜町では、吊るしではなく、雪の上でアンコウを捌くスタイルとか、、、豪快です。


すっかりお馴染みの、ヒガングーフも居ます。

日本海、津軽海峡、陸奥湾、太平洋。

4つの海を走る海流が混じりあう平舘海峡の漁場。

日本の沿岸で、おおよそ見ることのできる魚のほぼすべてが揃うようです。


上品な味が好まれることで集められるホウボウ。

沿岸魚に絞って狙う定置網ならではの、身近かな収獲に興奮してしまう。


海水がジャブジャブする作業場で、生きて、跳ねている魚たちと過ごす鉄火場。

外が浜町、平舘海峡、漁師のみなさま、マスター、いいものを見せていただきました。


 この、とくに、デブチンなマダイとマダラを見て、想像してみたこと。

定置網のなかに、大小、いろんな魚たちが入っているのを見て、彼らは誘われて入った。

逃げられない小魚やイカを見ての、食べ放題、ヤリたい放題に夢中になりすぎて、

気がついた時には、網の間口は狭められて御用となってしまった、、、そんな顛末か?

というのは、口のなかから、大量、ほんと大量の魚たち、、、腹一杯食べていた模様。

船釣り、磯釣り、投げ釣り、、、パラダイスの平舘海峡を彷彿させるデブチン。


作業小屋を辞したところで、サンライズ!

すっかり晴れた陸奥湾岸、積もった雪とのコントラストの美しさよ。

雲のなかなか取れることのない日本海側に比べて、太陽が姿を見せる。

津軽半島の東側(内湾側)は、そんな恵まれた地勢があるようです。


ひと息つけている間に、朝食が出来てくる?

なんだか、昨夜から、外が浜三昧、津軽づくし、、、社会復帰が心配になってきます。


さきほどまで生きていたヤリイカのソーメン。

エンペラ付近は、噛んでコリコリ、ブツブツと音を立てる。

噛めば噛むほど、甘みが広がって、、、、。

そして、べっ甲漬けとイクラの海鮮丼、味噌汁、赤カブのおしんこ。

漁港見学あとに、見て来た収穫物をいただく幸せ。


そして、津軽林檎、柿のデザート。

自分がすっかり健康になって、とてもいい人間になってきた気持ちがしました。

これでまだ、しばらくは、やっていけるのか、、、と。


スペシャルメニューばかり掲載してしまいましたが、浜乃食堂、通常メニューの一覧。

朝9時までなら、朝定食もやってます(水曜日定休)お弁当もあり。

目下、全品制覇を目指す私ですが、毎回スペシャルメニューに阻まれて、苦戦中。

個人的には、とりの唐揚げ、野菜炒め、しおラーメン、カツカレー、おにぎり各種、、

とにかく、浜乃食堂料理長の凄腕に痺れまくるのです、うまし! うまし! めぇ!


そして、私と、マスター&ママを最初につなげてくれたのが、釣り。

私は投げ釣りですが、マスターとママは、磯釣りと船釣り。

とくに船釣りは、仲がよくて腕っこきの船長さんたちとの交友が深く、

おそらく「釣り」が、浜乃食堂の創業の原点なのではないかと想像しています。

お店の紹介で、いろんな遊漁船へ乗ることができます。


夜に着いて、午前に戻る短い滞在。

毎回のごとく、後ろ髪ひかれる津軽、外が浜町、平舘海峡のお店、浜乃食堂。

今回、釣りはしませんでしたが、マスターとママに会えただけでエネルギー充填。

まこぶさ食堂もがんばらんばね、と、雪の溶けた国道を走り出したのでした。

(浜乃食堂)

青森県 外が浜町 平舘根岸山居38-1 電話0174ー25ー2125

(浜乃食堂ブログ)

http://hamanoshokudou.blog.fc2.com

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