2018年8月23日木曜日

氷見・富山 ちょい釣りと、川でちょい泳ぎ

金沢帰省から関東へ戻る途中、氷見の海岸と、続く富山県北部の川に、触ってきました。


富山湾の西岸、能登半島の付け根にあたる氷見市の海岸。島尾海岸、雨晴海岸、、、。

松原遠く、乾いた砂浜の広がる海水浴場、海の向こうには立山連峰のシルエットが、、。

思わず竿を伸ばしたくなりましたが、海水浴シーズン中とあってここは自重。

さらには、近づく台風の影響で、横風や白波も気になる状況なのでした。


市街地へと切り返し。

富山県指折りの漁港として知られる氷見港。

漁協の市場をのぞいてみましたら、朝のセリのまっただ中。

階段からその様子を眺めることができる構造になっていました。

ブリの子ども、イサキの子ども、アジ、サワラ、シイラ、富山湾の夏の魚が揃い踏み。


むむっ。

なんだあれは? よーく見つめてみますと、鼻先が切り落とされた巨大魚。

おおお。カジキが横たわっているのでした。なるほどね。

黒潮の分流、対馬海流に乗っていろんな魚がやってくるようです。


ぐぐぐぐーっと、おなか。

そこで、漁協市場に併設された構内の食堂へ入店。

朝定食についてきた汁物は、ツミレ、切り残、ゴボウの入ったアラ汁。

有磯海(ありそうみ)と呼ばれるご当地の名代、タラ汁に似た味噌仕立てでした。

これをすするだけで、おなかが一杯になった感じになれます(私は)


氷見港左岸に広がる親水公園の堤防で、先客氏の姿。

首に巻いた手ぬぐい、盛夏らしい風景だなと見とれていること、しばし。

しかし、どうにも調子はイマイチのようで、やはり風と波の影響なのか。

とても良いポイントに見えるのですが、キスの姿を見かけることなく。


むむっ。

ここはなんだ?

親水公園のすぐ陸地側には浅い池が作られていました。

なかには、ボラの子ども、ハゼの子ども、有象無象の仔魚たちでいっぱい。

看板を読むと、クルマエビの畜養池で、幼体の馴致訓練(じゅんちくんれん)中とか。

馴致=馴化、つまり、クルマエビの赤ちゃんの保育園なのでした。

さすが氷見港、魚介のデパートへのさらなる試みか、いろんな挑戦があるようです。


氷見の海岸線を北上、石川県の七尾市へ向けて走ると、階段状の護岸と公園が。

ここなら、横風も幾分おさまり、波の影響も少ないため、さっそく竿を出しました。

砂地の底に、ところどころ岩根が見え隠れしていて、魚の潜みそうな感じ。

軽く投げて、おそるおそるサビいておりますと、、、、。


ブルっときた。

おおっ。ゾクっときた。よしっ!

これです、この方、この方以上に、夏の主役はいらっしゃるでしょうか?

カツカツ、キューンと走る口のすぼまったあの方と、ブルっときてブルブルするこの方。

サイコーの、太陽の季節を感じる主役に会えました。


氷見の海岸は、景観、たたづまい、触れる風、そそぐ太陽。

なんだか、この世の楽園のような境地に浸っているようでもあり。

砂浜ではない護岸であっても、心地のよいループ状にしつらえられており。

日本列島の、日本海側の、ど真ん中の楽園とは、この境地なのかな、と思ったりもして。

あっち、こっちと、投げて、サビいてみました。


ブルっとくる!

ブルルーンっと、立て続く。

たまたま市販の仕掛けをつけたら、複数で掛かったり。

これはイケナイと、1本針に戻して、投げて、サビいて、ブルっときて、ゾクっとする。

ああ。やっぱり、この方々との出会い、邂逅が、この釣りの精髄、真実ではないかと。

まったく若輩な、青物な私でも、生意気に語ってしまうこの方々との交信なのです。


ブルっときて、ゾクっとする!

病み付きの体感との再会にすっかり満足して、氷見市街へ引き返す。

ふと見つけた黒瓦の祠、ガラス戸でガードされているのは潮風対策でしょうか?

名称を刻む石柱の文字を見て納得、つい一礼いたしました。


氷見市の郊外では、すでに色づいてきた稲穂。

海があり、水田があり、さらに遡れば能登半島の背稜の山々。

つくづく、氷見というところは、楽園なのですね。

それは古くから知られることで万葉の頃には既に、中央から大伴家持が赴任して、

楽園を味わい、日々の心境を、詠んだ。

とにかく、現在への有史を語るには、とても古くからの楽園のようです。


米どころ=越(えつ)の国。

北陸三県と信越の水辺には、サギが多い。水田脇に集まる小魚や貝を狙ってのこと。

海岸につながる小川の河口に、悠然とたたづむアオサギ。

水田や畦道にシラサギ、河川河岸にアオサギ。

人間をあまり恐れないのは、地域の方々の鳥たちへの接し方なのでしょうか。


氷見南ICから南下して、北陸自動車道に合流。

東京へ帰る下り線といういつものルートを北上していると、

右手には、立山連峰の山々、逆光で残雪は見えてはいませんが、くっきりのシルエット。

♬つるぎ、たてやま、くろべは、秋よぉ〜〜〜って、雪ちゃんのコウジ味噌。

↑このCMソングをご存知の方は、きっと、ウンジュウ歳代です、きっと!


富山県北部の、河川と、その河口。

立山のような標高3000mの山から流れる水が、そのまま、日本海へ注ぐ。

つまりは、ほとんどが一直線で、汽水域などなく、淡水の注ぐ海中が汽水域。

猶予も、ためらいもなく、激しく流れ込む、立山、北アルプスの雪解け水、天然水です。

さわると、ゾクっとするほど冷たいのですけどね、今夏は、これから、トライがある!


日本海ですから、夏とはいっても、波涛は激しい。

積み石やテトラにあたって砕けて、シブキをあげています。

近づく台風のこともあり、波裏、風裏に集まってたたずむカモメたちが、いじらしい。

その手前を、冷たい川水が、海へ注ぎ込んでいるという状況を撮ってみました。


こういった、川水と海水の接点には、プランクトンが多数、湧く。

そのプランクトンを食べにくる魚類が、たくさん集まる。

当然、釣りにも、好ポイントの必定であることは、私にも解ります。

厳しい波涛は、山岳の天然水と混じりあうことでの、恵みをもたらせるのです。


しかし、私には、ちと荷が重かった。

仕掛けを投げても、距離がぜんぜん足りないのですね。

川水の勢いよく飛び込む一帯にしか仕掛けが至っておらず。

ゴロゴロとした感触のなかから伝わる交信といえば、ツツツゥーとか、コツコツとか。

極小のマダイの赤ちゃん、グーフにしか、私のエサが注目されてない!

もう少しでも仕掛けが遠くへ行くと、底が砂地になって、あの方々がブルっと、、、。

楽しげな想像を次回への夢につなげて、釣りは、終了。致し方なく。非力の現実。


西日が陰ってきたので、近隣の小さな漁港の堤防を散策。

子どもさんたちは、まだ夏休みとあって、家族連れ、パパさんママさん、大活躍の夕刻。

ヒグラシの鳴く山肌と、隣り合わせの堤防、とても素敵な日本海の夕暮れを堪能。


バケツの獲物は、豆あじ、シマダイの子ども? 

真夏の日本海らしい、対馬海流の申し子たちがひしめきあっていました。

豆あじは、素揚げの二度揚げ、シマダイは味噌汁に入れるそう。

どちらも、うまし! でしょうね。サイコーです。


すっかり陽の落ちた道の駅へ。

午後9時に終了のコンビニと食堂がカップリングという素敵な普請の県境の道の駅。

かつて、松尾芭蕉が艶やかな句を吟じた越中と越後を分ける関の宿場がここです。

日本海をなぞる国道8号線らしい、泣きたくなるような情緒の道の駅でした。


その、道の駅、人気ナンバー1というモツ煮込み定食をいただく。

国道8号線を走るトラッカー、営業マン、ライダー、旅人の常食をいただく。

サイコーや。うまし! うまし! うまし!

おなかがいっぱいになると、次にくる欲求とは? 

ねむし! もうアカン、ねむし! ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ.


コケコッコーーーーーーーーーーーっ。

朝イチから、今夏のトライが、やってまいりました。やってきた次第なのでした。

北アルプスから流れてくる雪解け水が、ダイレクトに日本海に注ぐという河川。

海の水は温かい、対馬海流、暖流や、今夏はさらに酷暑、異常気象が拍車をかける!

対して、立山、北アルプスは容赦しない、いや、冷やさなければならぬという使命感。

自然の摂理ともいうべき、山の神、陸の神の気合いといわんばかりの、水温。

うわぁああああああっと、入っていきました。

頭上の鉄橋を時折、北陸線の1両のディーゼルカーがぎゃあああっと、通り過ぎます。


河川の防水カメラ自撮りの第1号。

流れが一定方向なので、コツをつかめばカンタンではないかな?

とんでもない! 流速、水圧が思ってた以上に強くて、とても安定しない。

かなり離して何枚もシャッターを押してかろうじて写っていた一枚。キツか。


という現実なので、シャッターを、押して押して押しまくっているだけ。

なにも写ってないようですが、中央付近に、ウグイの小さいのが居ます。


こちらにも、中央左側の石の右側に、ウグイが写っているのですが、、、。

山から海までがとても短く、冷たい水温のまま海へそそぐ川、渓流のまま海。

生きている魚たちにも、とても健気(けなげ)な感じ、小さな体格といいますか。

うううううっと、冷たさに我慢すながら泳ぐだけに、伝わるモノは大きく、でした。


左下の石の、さらに左下に。

アユが2尾、かろうじて上半身だけシルエット状態で写ってました。

海から上流がすぐの短い渓流の河川、アユの生き方、立ち回りも、特殊性が。

大きなメスのまわりに、小柄なオスが数尾、、、つまりは、降海する準備の早さ。

いろんな推察を、震えながらめぐらせたのでした。


海に近い渓流の河川を泳ぐ魅力は、川遊びの究極、筆舌尽くし難いもの。

それは、ずっと、日本では高知や徳島、和歌山、三重ぐらいのもの、と思っていました。

しかし、寒さや冷たさに耐える、我慢すれば、もっとフィールドが広がるのですね。

スエットスーツやドライスーツを付ければ、晩秋から初冬の河川でも泳げるとか。

もっと、日本海や、注ぐ河川や河口が知りたくなる、今夏の8月です。

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