JR九州の日豊線・佐伯駅にて。
今回のブログは電車の顔から始めました。
JR九州は株式の上場企業になり、話題を集めています。
手前の特急などは、某SF映画のあの顔に似ているな、とか、赤い顔はあの人だなとか。
こういう見かけだけの話題も、鉄道の魅力を広げることかな。
佐伯駅は単線の行き違う、静かな駅でした。
駅前、高い建物より眺めた佐伯市街。
佐伯=さえき、と読むのではなく、さいき、に統一されているとガイドにありました。
大きな湾が見えて、港、造船所、小山がポツポツ。
戦前は海軍の軍都として栄えた歴史が、やはりガイドに載っていました。
よく晴れた日には四国側も見渡せるそうですが、いかんせん、空重く。
風も冷たくて、持ってきた軽めのジャケットを後悔しながら、釣り開始。
佐伯湾に注ぐ、番匠川の河口。
番匠川は、ばんじょうがわ、と呼び、九州屈指の清流であるとか。
期待を持って挑んだのですが、とにかく風の冷たいこと。
さらに、この日は異常な寒波が押し寄せており、
阿蘇山の方角から吹き下ろしてくる西の強風の、寒くて、冷たくて。
太陽も顔を出すこと無く、ただただ、ひたすら耐える展開となりました。
オマケに、川底といわず、海底といわず。
前回ブログ・御前崎港や焼津港で悩まされた黒い呪術師がここにも登場!
トロロ昆布をぎっしり凝縮させたようなこげ茶色の藻が絡みつく。
阿蘇山オロシの寒風になぶられながら、これを千切っては外し、千切っては外し。
いきなり、忍従の投げ釣りとなってしまいました。
釣り場を、やや上流側へ移動。
ちょうど現地のオジサンが、あたり一帯ではいちばんのポイントと教えていただくも。
風は斜め方向よりまことに冷たく、我慢の投げ釣り。
九州でも、とりわけ東九州側は瀬戸内式気候に近いので、季節風を正面から受けやすい。
せめて雲だけでもとれてくれないかと願うのですが、意地悪な重い雲の継続。
どこへ投げても黒い呪術師は変わらず。
テンビン、仕掛け、針、各所にモサモサと絡みつくおどろおどろしさよ。
「これが付くと、魚はエサを喰わんけんね」
現地のオジサンが気の毒そうに覗き込む。
番匠川では、3時間ほどは、がんばったはずです。
でも次第にがんばれなくなってきました。
「5月になれば、キスもチヌも釣れるけん、また来られるといい」
と、オジサンにひと声いただき、移動。
海ぞいの国道を南下。
途中、一風変わったお寿しを購入して食べました。
佐伯市は最近、江戸前から押し寿司、創作系に至る、すしの街に力を入れているそう。
こちらは、鯵の身に紫蘇の葉を巻いた米水津港の特産とか。
米と水と津、と書いて、よのうづ、と呼ぶ難読地名。
まさに、お寿しの港には、理想的な地名だな、よのうづ、覚えました。
その、米水津(よのうづ)の港で投げる。
斜め横、時には、背後から、風は強く冷たくでしたが、ひとつ嬉しかったこと。
ここには、黒い呪術師が居ない、掛かってこない、だからサビいても怖くない。
それだけで、救われてきた気持ちでした。
ちょっと山側の港のなかに投げてみる。
この機転が今回の納得につながりました。
入れた直後にあたる、なんだ? なんだ? なんだ?
やった!
カサゴ、ガシラ、アラカブ、ガラカブ、ホゴ、、、なんでもよかよ。
0尾が1尾になった瞬間でした。うれしか。
2月3月の釣りは、0尾か1尾の狭間で一喜一憂、踊るとです。
大分県で初めて釣った魚になりました。
0が1になると強い。
乗ってきました、楽しくなってきました。
今度は、ツツツーンと持っていかれまして、ぱっと花咲く紅花か。
鮮烈、ホウボウの舞いまで見てしまい、これでもいいかなの気持ち。
それぐらい、寒くて、風の強い、叫びたくなる天候。
ちなみに、私ら以外に、釣りをしている人はゼロでした。
道具を片付けて、佐伯市街へとトンボ帰り。
国道10号線ぞい道の駅に併設された「番匠おさかな館」に向かいました。
じつは、今回の主目的、九州屈指の清流、番匠川の生物たちの水族館なのでした。
これは、凄い。
水槽は、上流、中流、下流、汽水域といった具合に、番匠川のエリアごとに展示。
入場料300円では申し訳ないぐらいの規模と豊富な魚たちの泳ぐ姿。
これは魚好き、水生生物好きにはたまらない博物の館でした。
冬枯れの外と水中を、同時に眺める、鑑賞できるというパノラマ。
時間が許せば、1日見ていても飽きないほどでした。
ちなみに、この清流・番匠川であっても、実質には、危機的な状況も訴えられており、
東九州にお越しの際は、是非とも立ち寄りたい場所だと思います。
帰途、いただいた、佐伯名物のごまだしうどん。
ごまだしとは、エソのすり身にゴマで味付けした味噌ダレ風味。
これを溶いてたべると、なかなかクセになるお味。
とにかく、冷えた身体はこの日はうどん、マッチしていました。
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