予報が芳しくない。
当初は、雲の動きの位置関係から東伊豆を考えてました。海岸線をたどりながら、どこか泳げて釣りも出来る場所はないかな、、、ところが、向かい風が強まる一方で気持ちが萎えてくる。思い切って半島の背骨の山々を越えよう。風を背中に出来るのではないか。
決断して険しい伊豆の横断、こんな坂あんな坂、上がって降りて、また上がって。ようやく、峠の視界が切れた眼下に戸田(へだ)の街が見えて、、、
なんだこのドピーカンは!
戸田の町へ着いた途端びっくり。下界は雲がすっかりとれて、燦々と降り注ぐ陽光のまばゆいこと。伊豆半島の東と西では天候も表裏のようでして、駿河の海の向こうには薄ら富士の高嶺まで見える好天気なのでした。
街を望む内湾の鳥居には、観光客の方々もちらほら。気温、急上昇。
果たして、今年も一体いつまで泳ぐつもりなのか?
自問自答しつつもパッパと着替えている自分がいるワケでして、岩場より水へ。
ライフジャケットは必需品だと思います。
やはり、水のなかは、いいですな。
川もいい、海もいい、海には、見たことのない生き物もあふれています。
水中メガネとシュノーケルで広がる、水中の博物大図鑑やあ。
ひんやり、心地よく、水と一体化、地球温暖化対策、いちばんは、ソトで泳ぐこと!
岩場の浅瀬には、ポツポツと熱帯性の魚たち。
海水温がまだ驚くほど温かいので、日本列島の定番的な魚たちは岩陰で休憩中?
戸田は、大きな砂州によって囲まれた内湾のほとりにできた街。
外洋側から転じた入江側は、静かな砂地の海水浴場になっていました。
昨年から同行のヒツジ(釣り執事)と始めた水中撮影。
安価な防水カメラひとつあるだけで、水中で見たモノを記録する楽しみが増えました。
静止画、動画、両方を撮ってみてるのですが、静止画のほうが難しい。
オートフォーカスでも波で揺れてピントが合わず、ブレブレに、、腕です。
こうして、かろうじて、雰囲気としては写っていてくれました。
波に翻弄されにくい内湾ならでは、、、
鮮やかな、濃い空色の魚、ベラの仲間ではないかと言うことでした。
納得の浜あがり、、、ひと泳ぎすると溜飲が下がるものです。
戸田の港では、シーズンを迎えたタカアシガニの水揚げが行われていました。
駿河湾での名代のひとつにもなっている深海の蟹、覗いた生け簀。
なるほど。足が長いですなあ、大型は広げると全長3m越えとか、世界最大。
覗いただけ、では味気ない? まだいただいたこともない、、、ということで。
レッツトライ、いただいてみることにしました。脚4本と甲羅がセットという、いちばん安価なメニューを。北陸や山陰の11月のズワイガニと比較すると、とても庶民的なお値段。
意外に、淡白、さっぱり、シャキっとした歯ごたえのものでした。なるほどねえ、なるほど。スリムな足脚を納得させる肉質、ミソを含めた甲羅の中身と申しましょうか。
夕刻、せっかくの西伊豆、戸田の港、ということで、竿を出しました。
港内には係留されている船が多し、当然ロープやブイも多いので、注意と確認しながらおそるおそる、、、私には極めて苦手なタイプの場所ですが、キレイな水に誘われて。
さきほど水中でお見かけした"ブルっ"とくる方々は来ないかしら、、、と。
結果、から申しますと、ブルっ、は、一度もなく。
コン、とか、コンコンとか、そしてグインと引き込む元気モノたち、しまった。
針を大きくしてはいたのですが、呑まれてしまった子もいて、腕だ、うで、ウデ。
ソフトクーラーへ入れてお土産、ソテー、塩焼き、うしお汁、、、
ンンンんっ? なにか視線を感じて、あ、見てます。見つめてます。そうでしたか。
ねえさん、それどうすんの? えっ、1尾2尾じゃあ、持ち帰るにもちょっとってか。
そうかね、東京、道中、長いねえ、大変だ、引き受けようか、それ、白身のそれ。
と、おっしゃってるようでもあり、この若猫殿ふたりに謹呈した次第なのでした。
帰りしな、あれっ! 頓狂な声をあげたヒツジ。
戸田の道の駅に、日帰り入浴が出来ていました。最近の道の駅、この温泉セットが全国的に流行しています。戸田は西伊豆を代表する温泉地のひとつ。最強のコンビでしょうか。
泳いだあとでもあり、湯浴みうってつけと入浴。装備も充実。女風呂は混んでました。それにしても、、、泳いだあとに、蟹グルメ、釣り、温泉。なんと昭和な響き満載な。
初秋のワンデイ贅沢旅行で御座いました。うまし!
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魚が好きなのか。釣りが好きなのか。求めて旅する、今日もまた。
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