冬は冬らしい場所へ行く。
雪のない土地に暮らす人間の浅薄なエゴかもしれません。ないものねだりの雪。降りしきる雪の海から顔を出す魚が居ないものか。
仲間たちと太陽の照る午後の関越路を北上しました。
上信越道に入って軽井沢を通過。
勾配を上りきったら裾野を広げる浅間山。勇壮です。私の家からもちいさく見えますが、近くで見るとこの山が信州の方々の心のよりどころであることを実感。
最近は煙を吹いてないみたいですね。
陽が暮れた野尻湖付近。あたりは一面の雪。
忍従の走りが続きます。
雪を見ておどけてみている図。若いボーダーたちのなかにあきれ顔が。なんしょっと私。
糸魚川着。
いきなり居酒屋へ繰り出す。↑白子ポンズです。日本海の味覚探訪その1
日本海の味覚探訪その2。南蛮エビをナマでいきました。
日本海の味覚探訪その3。現地名せいかい、沖メバルを塩焼きで。これ、うまし!
日本海の味覚探訪その4。幻魚(げんぎょ)の天ぷら。富山湾など深い海で捕れる深海魚で、ゲンギョ、ゲンゲなど地域により呼び名が違うみたい。味は淡白でした。
翌朝、未明より糸魚川港へ。姫川港とも呼ばれているようです。
とにかく、すごい雪。北西の風とともに吹きつけてきます。
覚悟はしてました。それでもキツか。キビシカ。指先がかじかみ、エサづけもやっと。覚悟はしてました。
竿先を見つめているのが精一杯。ずっと、そうでした。
励ましてくれたのは、家で作ったスライスチーズのスナック(電子レンジ発泡)この塩味が効いて、ジンジンしてくる指先とツマ先の痛みを抑制。
あとは年甲斐もなくSAで買ってしまったタオル。3歳児向けでした。
なんとか生体反応を!!!
粘りに継ぐ粘り、根性に継ぐ根性。我慢と痛みの繰り返し。痛い釣り。いた釣り。
祈り通じたのか、待望のアタリ。なんだ、なんだ、なんだあ!!!
正体はフグ。
ガクっときつつも、思わずひとこと。
「アナタはえらい」「こん天気でエサを食べた」「すごか!」「立派たい」「大将!!」
そく、リリース!!! 魚はこの1尾だけでした。
辛抱たまらずクルマに逃げ込んでいると。
コレばかり。ウミケムシ。ごちそうさましてます。外すのにひと苦労。トゲに触れたらアウトだそうです。たまらぬ痛みと痒さだそうです。
おそろしか。しかし、こんな季節の雪吹き曝す海に、フグとウミケムシ。
人間より逞しい生物たちがいることに感服したり、みんな、すごいなあ。
耐雪耐寒投げ釣りも限界性能に。
口惜しいけれど糸魚川市内のおそば屋さんに逃げ込む。
街道宿場町ならではの歴史と風情を残す普請に囲まれて暖をとる。
鴨南蛮を食べる。あっさり上品な出汁とやわらかな鴨肉。ひと息つけました。うまし!!
仲間とシェアした手打ちの大盛り。体が暖まれば、こっちも、うまし!!!
今回は「食べてばっか」釣りだったような。
口惜しさのリベンジをこめて再び糸魚川から南側の青海海岸へ。
砂浜は銀世界、日本海は怒濤、降りしきる雪のなかで歌いました。
ひゅるり〜。ひゅるり〜。また来ます糸魚川。まったく懲りないおんなですぅ〜。