大田、浜田、益田をまとめて石見三田と呼ぶそう。
島根県の中西部、出雲地方のさらに西側。田が三つで、石見サンダー!!!
成人の日の連休を使って、猛スピードで駆け抜けてきました。いつも以上に飛ばしました
お昼の飛行機が舞い上がると、左手車窓は富士の山。
おおっ、幸先よし。うれしかあ。と悦ぶのはつかの間なのは、目指す石見は日本海側。
太平洋側は好天気、ということは表裏。予報は今季最強の寒波とか告げてるし。
がんがん揺られて出雲空港に着陸。「縁結び」空港とも呼ばれているそうですね。
そういえば、航空機も独身女性ばかりだったような。婚活超特急という愛称もあるそう。
レンタカーで走り出すと、道路にクルマが少ない。
低山に囲まれた、のどかな出雲平野をゆく。ここは、神の国ですものね。ゆっくりした時間の流れを感じつつ、重たい空すら神々しく。
出雲空港のあるのは宍道湖のほとり。
国道9号線を走ること10分少々で出雲市に入りました。神話の主役たちのキャラが可愛い。
出雲といえば、蕎麦。出雲そば。国道ぞいの看板に誘われるように、ウインカーを出してしまいました。当然であります。
割子そばでいきました。
麺のコシ、歯触り、のどごし、濃いめのダシつゆ。抜群でした。目が醒める。
うまし! うまし! うまし!
割子の食べ方には流儀があるようです。
上段を食べたら、そのツユだけを下段にかける。薬味はその都度かえる。こうして、いろんな風味を楽しみながら、ツユが薄まれば、継ぎ足す。
なるほど、高効率で味わい多彩。神の国の知恵に触れたような。
お腹もふくれて、あとは9号線を西へ西へひた走る。
あっ、海が現れた! 美しい日本海、憧れた山陰の海。でも、猛烈な北西風。
高い波の押し寄せる真冬の海でした。
石見国大田市の仁摩(にま)の港。
空は明るくなりましたが、北西強し! キツか。竿を出すかどうしようか迷ってる図。
意を決して防寒ウエアを着衣。
ここまで来たら気合いです。真正面からの風を避けようと、横を向いてさぐります。
アタリはとれないものの、エサはすぐにカジられる。
なんだろうか? エサが獲られるという事実だけが、気合いを継続させる。
陽の傾くにつれて、北西風は強まるばかり。
夕マヅメに賭けようという「紙のコヨリ程度の希望」が萎えかけてきました。
耐えて花咲くことはあるのか? さらに今日中に、浜田まで着かねばならない。
やめよう! 決断してから道具を片付けるまでは、強風下で息も苦しく、必死の形相に。
陽の暮れた9号線を走る道すがら、気になっていた温泉街に立ち寄ってみる。
温泉津と書いて、ゆのつ。石見地方屈指の名湯とか。
石見銀山の華やかなりし頃、銀を船に載せて博多へ運び出した港が温泉として残っている。銀山が世界遺産に登録されて以降、再び脚光を浴びている温泉街。
静かな路地に、こじんまりした旅館が軒を並べていました。
温泉津の出色が、総湯・元湯を含めた共同浴場の素晴らしさ。こちらは泉薬湯。
その斜め対面には、薬師湯。お向かいながら、泉質が違うというまさに通好み。
凍えた身体を温めようと、とてもとても惹かれますが、湯に浸かったら、おそらくその場でシートを倒し眠りこけること必定。
浜田には到達できなかったでしょうね。
19時過ぎ、浜田に到着。駅前のビジネスホテルにチェックインして、通りに出ました。
「どんちっちタウン」と銘打たれてました。
どんちっちとは、神話に基づいて舞を舞う「石見神楽」のリズムからきているもの。
リュックを背負って通りのアーケードをぶらぶら。
お腹も減っているので、お店を探しましたが、とても静かなメインストリート。
人気も少なく、浜田はとても落ちついた節度を感じる山陰の小都市でした。
むむっ、ここはナンダ? 細い路地の奥に惹かれる灯が。
なにかを祀ってあるのか? 居酒屋さんでした。
ただ、一見には、ちと入り辛い雰囲気。迷いましたが、パス。
結果、入ってみたのが、こちら。韓国風串焼き。
珍しい。鶏ではなく、牛や豚を串焼きに盛ってあります。
ハイボールも入って、ぶりぶり酔っていく。帰途、コンビニでカップ麺とおにぎりを買って締めとして、第1日目は終了。
翌朝、食堂の先頭打者で朝食を食べて浜田港へ出る。
空はいくらか明るいものの、北西風は昨日以上に強まっている!!
風をなんとか背中に出来る場所を探して走り回ります。
浜田港の小島にかかるマリン大橋下。
ここならいくらか風をしのげる。魚を釣ることより、竿を出せること最優先。
日本海の真冬はこれが一番。投げ釣り4年目にして体得した心得?
軽い逆風をついて、投げます。しゃにむに投げて、探ります。
雨やみぞれの落ちてこない、空模様には恵まれたような。
ちいさなアタリを少し送り込むと、ズンときた。
重い、重い。上がってきたのは、フグ。しかもこれは、確かアカメ。ヒガンフグ?
昨年の竿納めもフグ、フク来たる。
初釣りも、フク来たるですか。フグづいています。
この時、私は年越し、年末ジャンボの数字を確認していなかったことに気がつきました。
出雲の神様、お願いいたしまーす!!!
初釣りで、お魚の顔は拝見できた。
帰りの時間を計算して、速効、戻りながらもう一カ所だけ釣りをすることに。
浜田港を一望できるゆうひパークは、抜群のパノラマが開けていました。
ゆうひパークのスタンド系では、かき揚げのせで蕎麦。
朝食をとったはずなのに、そばだけは入るという不思議な食べ物? 私の胃袋?
西側のそばらしく、ツユは透明、昆布だしが強め。
いつも真っ黒な江戸だしつゆに慣れた舌には、とてもソフトなお蕎麦に感じます。
エビはプリプリで、うまし! さすが浜田港直産!!!
おそばを食べて『しあわせ』の図。
木でできたモニュメントにしだれかかってみましたところ、
「そんなコトはしないでください」的な注意書きが置かれてありました。
ごめんなさい!!!!!!!!
浜田市街でみかけたスーパーマーケットは、エビス様マーク。ご当地ならでは。
真紅のカラー、にこやかなお顔で、消費意欲も駆り立てられますね。
国道9号線を出雲へ戻る道すがら、この電気屋さん発見。
これだけ年季の入ったタイプを初めて見ました。歴史ありですね。
空がめまぐるしく変わり、みぞれが降ったり、止んだりに。
江津市を流れる江の川。
山陰地方、最後の清流と呼ばれているそう。
河口付近の堤防が好ポイントらしいですが、波が高くて近づけない。
河岸につながれた小舟たちもギシギシと揺れていました。
江の川。
とにかく、川の相が、素晴らしかった。ゆったりとした流れが、中国山地のなか奥深く入っていく感じなのです。
島根県側から広島県にまでつながる大河。夏に来たら素晴らしいだろうなあ、しみじみ。
その大河も、時には牙をむくことも。
江の川に添って走るJR三江線は8月の雨による崖崩れでいまも不通。
江津駅前には、代行運転のJRバスが控えていました。
JRといえば、国道9号線とほぼ並行して走るのが、山陰本線。
戻りの温泉津駅付近で、2両編成の特急車両をキャッチ。よしっ!
温泉津港で、時間の許す限り、竿を出す。
袋状になった港内は、北西風をやや和らげてくれて、ちょっぴり心も穏やかに。
しゃにむに投げる。気持ちを集中させて探る。これが出来たことが奏功したのか?
ちょっと大きなアタリをしばらく待って、巻いてみたところ、重い!!!
重い! 重い! 重い! 引っぱりこまれそうになる!!!!!!!
そして、ズーンと浮上してきましたのが、こちら↑
お隣で、チヌ釣り(らしい)をしていたおふたりさんから、タモ網をお借りしました。
メジャーで計ると43センチ。
自己新記録となる、マコガレイなのでした。
タモ網をお借りしたおふたりは、広島県からの方々。
マコガレイは針をすっかり飲んでいたため、締めて、貰っていただきました。
快諾を、感謝申し上げます。
思わぬ良型に笑みこぼれたのもつかの間。
あたふたと時間を使ってしまい、あとは超特急運転に。こちらは銀を積み出した温泉津港のさらに奥にある、沖泊の港。
その港内には、見事な造りの社が建ってました。もっとじっくり観たかった!!!
こういう看板を見ると、ドキっとさせられたりも。
釣りをしてるのか、あたふた移動してるのか、なぜクルマを停めているのか?
私のような旅は、ハタ目には、どう映るのでしょうかね。
温泉津港からは、一度コンビニに寄っただけで、出雲空港まで一直線。
高速道路のあるところは、めいっぱい走ってすべりこみセーフ。
ところで、このコンビニさん。東京でも見かけますが、本社が広島市なんですね。
納得しました。赤ヘル軍団、目立つ真紅。
山陰にもたくさんありましたが、お手洗い等、大変お世話になりました。
そのコンビニで売られていたこの釣り雑誌。
山陽と山陰の中国地方、瀬戸内海、四国でよく見かけます。情報がたくさん載っているのと、漫画が多くて楽しいのです。
東京にも売っていればいいのに、といつも想ったりしています。
ということで、遅ればせながら、私も絵による年賀状。
今年もどうぞ、ご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。まこぶさ食堂店主 敬白
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