昨年秋に続いて今年も石狩川。さらに念願の雄冬を抜ける。大冒険の1日になりました。
前夜。
札幌市内に住む妹夫婦と会食。自宅で大歓待を受けました。
明けてハンドルを握り、市内を抜けて北上。
国道231号線は、これが北海道だ、と言わんばかりの快晴。
天高く、馬肥えて、ピリカ!!!!
ピリカとは、アイヌ語で、美しい、かわいい、よしっ、うまし! な意味とか。
近ごろ、ついつい多用しています。
石狩川の河口。
北海道で一番の大河。それが日本海に注ぐところ。
日本列島のなかでも、流河面積は、利根川、信濃川に続いての第3位とか。
勝手に「北海四郎さん」と呼んだりしてます。
昨年、この石狩川河口で妹夫婦と釣りをして、ウグイが入れ喰いになりました。
今年は、もうちょっと違う魚をと期待していたのですが、、、、、、。
石狩川河口に張り出した木製の桟橋。
L字型をしていて、足元がとてもいい。初心者向き。
休日は、札幌市民の身近かな釣り場として人気なのだとか。
いいなあ、大都会からほんの30分も走ってこんな場所がある。
全国の釣りキチが、北海道に無我夢中になる気持ちがよくわかります。
竿先が、ガラっ、ガシガシとなって、重い!!!
巻いても重いし、なんとかひっぱり上げるとこうなっていました。
昨年と変わりません、ウグイの方々。
しかも、大きくて、よく引き、重たいのです。
でも美しい、ピリカ!!!!! です。
私は、ピリカウグイの大歓待。
竿を持っていても、置いていても、グングン、ギューンと引かれる。
お隣の桟橋には、私より年かさと見える先輩ご夫婦。
やはり、ひと味違う釣り? 新参、他所ものの私とは、時々違う魚が見えました。
桟橋の根元は漁業の埠頭。
なにかが、後ろで跳ねて移動している。
写真ではわかり辛いですが、リス?
じっくり見るとイタチ、それも子どもでした。
短い前足で、ぴょんこ、ぴょんこ、と跳ねて前進し、ドラム缶の脇に隠れる。
ピリカなヤツやね。
ビックリしたのは、2羽のカラスが急降下、子どもイタチを襲います。
ずっと逃げ回ってましたが、一度だけ、たてに飛びかかっての、必死の反撃。
やるなあ、子どもイタチ。
いいものを、見せてもらいました。
いいもの。お隣の桟橋のご夫婦より見せていただいた、いいもの、その1。
ヌマガレイ。
左眼のトラジマ。ヒラメを除き、カレイ界では唯一のサガンのたたづまい。
サウスヘッドアイ・フラットフィッシュ・リバーエンド(超ベタな自製カタカナ語)
日本列島では、絶滅目前。
このカレイの生きられる、河と川と沼が、日本の沿岸最後の砦と言われているそうです。
裏にすると、当然、腹びれを下にして頭が右側になった。
白い、裏側の体表には、写真では解りにくいですが、ポツポツとスパイク状の突起。
河を遡上したり、河口の干満による流速に耐えたり。
こうして生きるうえで身体に備わってきたグリップ機能の特化身体。
資料をさぐると、かつては、本州の河でも30キロ以上も河を遡上していたカレイ。
低地の、沼や湖なら、完全な淡水でも、ずっと生きていたというカレイ。
開発や、無闇な乱獲とともに、どんどん北へと追いやられ、なんとか生き残っている姿。
北海四郎、石狩川。いいものを、見せていただきました。
お隣の桟橋、先輩ご夫婦より、見せていただいた、いいもの、その2。
ハゼ。
それもでかい、ピリカ、ピリカ、ピリカ!!!
東京にいるハゼより、眼が小さいのではなく、それぐらい、でかい。太い。
やるなあ、石狩川、北海四郎。
どんなモノを食べたら、こんなに大きくなるのか、ハゼどんよ。
昨年に続き、人さまの釣った魚の数々に、たまげているだけの私。
私といえば、これです。
本日の最長不倒、48センチ、K点を超えた、重し、キツか、でもピリカ、美しか。
ボディは、ポンポン、はち切れんばかり。テレマークを入れたくなる。
妹夫婦の影響もあり、ずんずん、北の大地に引きづり込まれる頭。ウグイを計10本。
掛かりが浅いため逃がしていましたが、これは、K点超えでした。
針を呑まれており、お隣ご夫婦にお願いして引き取っていただきました。
感謝。
ウグイは、ナマスにすると美味しいそう。
レシピを伺い、揺らいだ気持ちですが、時間的に切羽詰まった事情もあり、先へ。
石狩川が辿り着く日本海が石狩浜。
真夏は札幌市の方々が集う道内最大の海水浴場とか。
晩秋の砂浜には、誰もいない(当然)
大陸からの北西風が厳しく、ひたすら吹き晒されているのみ、でした。
石狩川での竿を速攻で畳み、ひたすら北上。
日本海側をなぞる国道231号線は、快晴にして快適、、、な、はずが、、、、。
前方には、数々のトラック、地元の方のクルマが登場して、大都会なみの定置走行。
致し方なしなのです、、、1日で石狩川から雄冬を見て、増毛、留萌、新千歳空港へ必着。
飛行機に間に合うために、乗り遅れたらエライこと。
いつもの物見遊山が、危機的な心情で展開されることになりました。
石狩川河口での釣りが、あまりに素晴らしくて、時間を費やしてしまった、、私のバカ。
国道231号線ぞいに、展開される堤防。
猛烈な西風を避けるために、高い壁の護岸に守られた内側には釣り人の方々。
双眼鏡で見ると、サビキ釣り、サケ釣り、北海道の釣りが凝縮。
すごい情熱をまのあたりにして、先を急ぎます。
河口付近のほとんどは、こういう看板。
サケの遡上時期ですので、当然ですね。
ちょっと投げたくなる河口ばかり、、、、狙いはサケではありません。
ただ、紛らわしいことになるといけないので、先を急ぎました。
幾つものトンネル。
すべてが工事中で、水びたしの補修と新たな掘削作業に頭を下げて抜けたトンネル。
かつての、孤立した険しい集落を、晴天の日に訪れることができました。
ついに!!!
鳥の名前のついたオロロンライン、国道231号線のハイライトでしょうか。
ここへ、来たかった。
時刻表を見ると、1日に3本。
留萌の市民病院までのバスでした。
雄冬の港では、ポツポツと釣り人の姿。
みんな、ルアーにエサをつけたウキを投げてサケを狙っていました。
成果はあがっているようで、あちこちに、サケを絞めた跡。
投げ釣りの魚も釣れそうですが、時間逼迫、ここは、我慢のしどころ。
こんな所に、よくぞ、道をつけたものだと、、、、感慨深く。
冬になったら、やっぱり、あの風景になるのだろうと、感慨深く。
ちょっと前までは、定期船でしか来られなかった、あの集落の風景。
あの風景とは、つまりは、、、、つまりは、そうでしょう。
ケンさんの映画。
以下、新千歳空港まで、パニックになることになる、ケンさんゆかりの光景の鑑賞。
増毛駅。
ここでの逗留で、ひとときの安らぎ、ぬくもりを知るケンさん。
親しくなって留萌へ映画を見に行く女性と出逢うケンさん。
あの車窓は、男女の別なく、たまりませんね。
しかし、この線路は、もうすぐ無くなるとか。
ううううううん、キツか、くるしか、眼に焼き付けます。
増毛駅、その2。
ケンさんは職務のためとはいえ、滅私して全う。
せっかくの女性との決別となる宿命の街の駅。
またも、悩んだ因果な仕事のために、大都会へと、結局、札幌へと戻る駅。
この建物も、なくなるのでしょうかね。
犯人を追い、見張っていた食堂。
見張っていた犯人の妹の勤め先、、、、、いまも健在でした。
ケンさんを中心に、すべてが北の大地の情感で回っていたあの映画の駅の物語。
封切りの頃の、演者の方々の年齢に近づくと、しんしんと伝わるレアル、、、。
あっ、いけない。
あっという間に時間が過ぎて、飛行機に乗れなかったら、ヤバイ!!!! やばし!
留萌市の炭坑の跡地から、高速道路が伸びていて、助かりました。
留萌道、合流しての、道央道。
映画のケンさんの職業の方々に、びくびくしながら疾走した帰り道。
新千歳空港の直前のSAで、サッポロ味噌ラーメンを食べました。
うまし! ピリカ! うまし! ピリカ! うまし! ピリカ!
投げ釣りなのか、ケンさんの映画の慕情の足跡探訪なのか。
今回も、なんだかよく解らない1日のまま、飛行機には間に合いました。
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