ヒツジ=釣り執事の実家・金沢市へ。用事のつかの間、市の南側へ向かいました。
小松市・梯川の河口。
石川県では、手取川と並ぶ大きな河川だそう。右手が日本海です。
ヒツジの実家から45分ぐらいで着きました。
新しい道が出来たことで、フツーに走っても小松はとても近くなったとか。
日本海は、猛烈な風と波。
河口はそれをかわしていて多少落ち着いて竿を出せました。
投入の直後からアタリは頻繁。
でもなかなか掛かってくれません。
アタリは頻繁ですが、それ以上に頻繁なのは上空の往来。
小松市といえば航空自衛隊の小松基地。釣り場は、いわゆる通称グンタイです。
戦闘機が次々と上がっていきます。一機の単独だったり、二機が添っていたり。
物凄い轟音の合間をぬうように、民間の航空機がゆっくりと上昇。
あまりに静かでハイブリッドカーみたい。機体は大きいのに。
耳をつんざくような轟音に沖縄の方々の辛苦を想ったり。
川の上流側の橋の向こうは北陸自動車道。
クルマとトラックの重奏がひっきりなし。
空と陸から、たいへんな喧噪の梯川の河口なのでした。
さらに背後に視線を感じたので、振り返るとこの方。
ガンつけてます。張り付きネコ。身体はかなり大きい。迫力。すごみがあります。
「オイ、なんとかしてくれんとなあ、新参モンにはそれ相応の流儀があるんやで」
みたいな存在感でたたずんでいる。
しょっぱなから完全に張り付かれました。
アオサギも気を使いますが、大きな猫(地元猫)はより気を遣います。
それっと、アワせてみたら、この方。
グーフ。
川の中まで来て、グーフかい? 絶対に釣るね私。エメラルド・アイ・グーフ。
へなへなへな←私のしおれる音の表現。調理免許でもとるか!
またいつものパターンかと行く先を案じながら背後を見ますと↓
「ダミダ、こりゃあ〜〜〜〜〜」
視線を外している張り付き猫殿。
クルマ横付けの河口、好釣り場。水辺の猫は毎日釣り人を見ているでしょう。
その日の状況や釣り師の腕を、一発で見切ってしまうのが張り付き猫。
「ダミダ、こりゃあ〜〜〜〜〜」
ク・ヤ・シ・イ、オマエもグーフのような体型のくせに、、、、、。
無視されると、ガゼン燃えてしまう。
直後、コンコンというアタリをあわせてくると。
そこそこ竿に抵抗があります。
それっと、あげたら。
セイゴがついていました。
ガゼン、今度は猫殿が目の色を変えていました。
ソク立ち上がってるし。現金な方よのお、好きよ。
ふふふふふふ、ここから、私のいつにないラッシュが。
セイゴが続いたあと。
それっと上げたら、マハゼ。
よしっ! いい感じ。全国一律のいい感じ。
マハゼのアタリは、シロギス、カワハギと並んで好きです。
いい感じ。解りやすい。いい感じ。
でもこれは、この先のことを考えて放流(抱卵)。
張り付き猫殿も、解っていらっしゃる(ようでした)
クン、クンと反応があって、ズイズイズイと下へ潜るような。
ひたすら巻く、無我夢中、巻いてきまして、それっ。
あっコレって、、もしかして、、、やりました、ついに釣った。掛かった!!!
サウスアイ・フラットフィッシュ。トラギスと並んでの素敵なシマシマ、、、、、。
全身タイガース!!!!! ヌマガレイ。カレイ界唯一の左眼サウスポー!
「いとしい、なんとけなげな、ここまでされてまだ生き残っていてくれたんだ、、、、」
ヒツジ年の最後に来て、再会にむせび泣くヒツジ。
よかったなヒツジ、その感激と涙をこれからの余生に活かしなさい。
ヌマガレイは、当然、放流。張り付き猫さん、ごめんね。
極めつけはこちら。
アタってるのに放置していた竿を巻くと、そこそこに重い。
こうなっていました。
モクズガニとセイゴのダブル。モクズガニは針をくわえてました。
小さなセイゴは針掛かりが悪いので、外して猫さんへ。
モクズガニは放流。
ここで総計。
マハゼ6、セイゴ7、グーフ1、ヌマガレイ1、モクズガニ1。
もういいかな、、、数々のアタリに溜飲が下がって竿をたたむことに。
張り付き猫殿もセイゴ3尾を平らげ、少し離れたところで横倒しになってるし。
現金な方、解りやすい、好きです。
釣った場所の対岸に、安宅の関がありました。
歌舞伎の勧進帳で有名なところ。
頼朝から逃走する義経と弁慶の検問突破をめぐる物語ですが、
私の好きなのは、正体を見抜いてもそれを看過する関守のなさけ、人間らしさ。
兄と弟の確執を広い心で捉えて職務に背く、いい意味での武士道といいますか。
なのに、、、、安宅の関は、松林のなかの小高い丘のなかとかで、逡巡。
結局お手洗いだけ拝借してドライブを続けました。ごめんなさい。
小松市から走って加賀市。
塩屋港の集落のなかをほっつき歩いておりますと。
楽しげな音楽が流れて移動の販売車が登場。
なんだ?なんだ?なんだ?なんだ?なんだ?
いちばんの人気はこちら。
「寺井のメロンパン」とか。
予約をされていて3つを購入という奥さんの勢いにつられて購入。
表面があまり堅くはない、珍しいタイプの「寺井のメロンパン」でした。
突如、現れた大きな木造の建物。
私が通った小学校の姿を見かけたような懐かしさ。
校舎を保存して、なかで、食堂、お土産屋さん、工作教室、料理教室、、、、。
もろもろ地域の活動が盛んなようでした。
校門より、登校です。ウン十年ぶりの、、、登校です。
校舎のまわりには、立派な銀杏の木。
紅葉して落ちた葉っぱも立派、鮮やかな黄色を目にします。
ギンナンの実もきっと、見事な、大玉の、、、とか想像してしまいます。
この方も健在でした。
金次郎さん、のちに、尊徳さん。
もう一度、この人の伝記を読み返そうかと、思う時があるのですが。
なかなかそれが、、、、、。
廊下は走らない!(全国一律の標語)
ゆっくり歩いてまわりました。
思わず目をとめたこの看板。
「食に命を賭ける会」
看過できません、この異様なまでのオーラを発散させる看板。
食に命を、、、、、まこぶさ食堂、店主、言葉とこころをいただきます。
残しの柿の木。
葉の落ちた枝になんとかついているだけの柿の実のゆかしさ。
残し、とは、これからの冬を迎える鳥や獣たちに与える「残し」。
それによって、農作物への被害も抑える。
里山の方々の知恵は、たいへん奥深いものであります。
鳥の話題で、ピーンときてしまったヒツジ。
加賀市にある片野の鴨池へも寄りました。
日本のバードウォッチャーが、必ず訪れるという観察池。
ヒツジは小学生の頃、バス遠足のたびに来たとか。
昔は小屋だったそうですが、いまは立派な建物になってました。
片野の鴨池の全景。
手前は水田で、夜になると苅った後の二度目の米を鴨たちが食べにくると職員の方。
備え付けの望遠鏡を覗くと、この日は約千羽の鴨の各種が逗留(写真のごま塩たち)。
これから冬にむかうと約4千羽近くが飛来してくるとのこと。
私が注目したのは、その鴨を狙っての猛禽類の接近。
こりゃ凄い。すごし! すごし! すごし!
つまり、この小さな保護池のなかで、鳥類の営みが展開されていることでした。
金沢へもどる途中にちらっと見た橋立港。
外洋は相変わらず大荒れ。猛烈な北風。漁船たちは、港の奥にかたまっていました。
これから北陸は、空と海を睨みながら、このような天候ばかりになります。
11月の雷を、ブリ起こし。冬将軍の訪れと、雷による鰤を待つ漁師の方々。
近くのお店を覗いてみたら、、、、、。
ズワイガニ。
とりわけ、写真のメスは、勢子ガニ、金沢では、香箱と呼びます。香る箱、コウバコ。
メスは11月いっぱいで禁漁となり、あとに来るのは寒鰤のシーズン。
それは、新幹線の開業で浮き立つ金沢市だけのことのようで、一歩でも離れれば。
南側の、小松市や加賀市、なんともゆったり、落ち着いて、これが本当の石川県の姿?
そう水を向けたら、帰り道、黙りこくったヒツジが印象的でした。
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