お世話になっている津軽半島の浜乃食堂。その息子さん開店ということで見参、でした!
先行したヒツジ(釣り執事)に大きく遅れて飛び乗ったはやぶさ号。
八戸駅でほとんどのお客さんが降りてしまい、新青森駅では私ひとり。ここはひと唸り。
♪大宮からのはやぶさを降りた時から新青森は雪のなか〜〜〜〜〜♪
♪北へ向かう緑の電車赤いテールは地吹雪のなか消えていく〜〜〜〜♪
↑以上、津軽海峡冬景色の旋律にて歌ってしまう。
なんとか、遅いお着きでたどりつく。
青森市本町1丁目、お店は市内繁華街にある蓮華寺というお寺の門前。
屋号は『くつろぎ処 匠や』
まだオープンして1ヶ月ぐらい。
この開店のお祝いが、津軽行きの第一目的だったわけですが、、、、、、。
陸奥湾でさっきまで生きていたヒラメ。
身と縁側に切り分けられて、キモが添えられている。
とか伝聞、検分してるヒマもなく、私は遅れてやってきたのだ。
駆けつけ三杯、詫びの三杯、急いで三杯、遅れを取り戻そうと三杯。
いきなり、津軽じょんがらが聴こえてきそうなハイピッチモードへ突入。
はやぶさ号も、この速度には、かなうまい。
鱈の白子の天ぷら。
熱いです、私、猫舌で、はひはひはひ、とかは、まだ記憶ありました当然。
熱い、うまい、うまし! はひはひ。
いやあ、旨いなあ。
津軽半島の西浜側で盛期に入ったと伺ったハタハタ。
♪秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ♪
津軽のブリコも、ぶりっぶり!
このあたりも、絶好調、うまし! いやあ、まいった。
昆布で絞めた身のヒラメ、ホッキ貝刺身、まだよく憶えております。うまし!
↑ヒラメの表裏の皮のカラ揚げ。矢継ぎ早に登場してくる青森県の旨いもの攻撃。
ここは青森ですが、盛岡のワンコそば状態といいますか、マシンガンに討たれている。
青森銘酒『田酒』を、大きなコップについでいただき、このあたりから、私は、、、?
知り合えて、すでに4年が経ちました。
津軽半島の外ケ浜町で『浜乃食堂』を営むマスターとママ。
子どもさんが、この度、他店での修行のうえ、独立。
いつも厨房で忙しいママも、穏やかな表情に見えます。
うれしいですよね、独り立ち、ああ、私のムスコたち、独立はいつ頃?
なあんて考えるから、ブリブリ酔ってしまうのか私。
めでたく開店となった、まこと店主とひろみさん。
ご兄妹なのですね。つまり、あにいもうとのお店。
浜乃食堂のDNAを受け継ぐか、くつろぎ処 匠や。
強豪ひしめく青森市内の繁華街でがんばるのです。
大間のマグロ、陸奥湾のほたて、うに、など。
青森、津軽のいいとこが握り鮨で出てまいりまして。
うまし! うまし! うまし!
ということで、宴たけなわ、となりまして。
マスター&ママとHUG、HUG、HUG。
駆けつけ三杯、では済まぬ、何杯いっぱい、鳴り響く北国のファンファーレ。
ただ申し訳ないのは、この時にはすでに記憶おぼろげ、どうなったのか?
皆さま、およびヒツジの力を借りて、投宿先に搬送。
青森の夜は、そうそうに気絶の途となりました。
コケコッコーーーーーーーーーッ!!!
しばらく今どこなのか解らなかったのですが、正気を取りもどす。
ここは青森市だった。そうか、では行きますか。防寒の上下に着替える。
向かった先は市内を流れる駒込川(堤川)の河口。
トラベルバッグに、パックロッドと道具をしのばせていたのでした。
ククン、クンクン。
すこし糸を緩め気味にして待っていますと。
クククン。おおっ。巻く。
これは、ヌマガレイではないですか。
日本ではいまや希少種、生息環境が厳しくなる一方の汽水域の魚類。
釣ってしまったぁ、と、うれしさと同時の懸念のようなものが。
でも、生き残っていたことに、感慨深げなヒツジ。
こちらは裏側。
両側のヒレには黒い斑があり、魚体にザラつきがあります。
全体的に菱形に見えることも特徴なのだとか。
沼や川に暮らすので、ヌマガレイ、カワガレイ。不思議なカレイです。
ヒラメと同じ、左目だし。
同行のヒツジが堤川で釣りをしたのは、1979年の春とのこと。
転勤族の姉夫婦を頼ってやってきた青森で、竿を投げたらいろいろなカレイが釣れた。
まだ公園のような整備はなく、殺風景な河岸、護岸だったそうですが、
いまは青森市民の、もっとも身近かな釣り場のようです。
マスターから後日伺ったところによると、スズキの大型も遡上するようです。
ちょっぴり郊外を走ろうと、陸奥湾に突き出た夏泊半島へ向かう。
上空を飛ぶ雲がねずみ色に変わると、雪が舞い散ってくる。
寒波襲来で、道端の温度計はマイナス2度。
青森ではほんの序の口でしょうから、クルマの往来も頻繁。
コンビニの店頭で並べられていたウォッシャー液のドデカボトル。
雪の降り始めは、とにかくよく使います。
「あ、今年もこの季節がやってきたんだなあ」とヒツジがぽつり。
ヒツジは水を含んだ重い雪質の北陸出身なので、ウンザリした表情が印象的でした。
夏泊半島の東側の付け根付近。
ハクチョウの飛来地に寄ってみました。
人恋しげに、近寄ってくるハクチョウ、ウミネコ、カモ、カモメ。
なにかあげるものなかったかなあ? あっ。
昨夜マスターとママからいただいたリンゴを1つ取り出しました。
齧っては投げ、齧っては投げ、齧っては投げて。
発見、ハクチョウはトロい。おっとりしてます。横取りされる。食べ負ける。
強いのは、カモメ、ウミネコ。
カモは反応がいまいち。やはり穀物系が好きか?
「ねえさん、折角シベリアから飛んで来たんだから、もっと頼むぜ!」
どの鳥もみんなそんな表情でした。すまん、気が効かなくて。
夏泊半島は、読んで字のごとく青森市民の夏の海の遊び場のようです。
岩場と砂浜、松の木立。これらにいま雪が被っていますが、それさえ美しい。
風光明媚な海岸線がありました。
東滝という漁港で竿を出してみる。
クルマが堤防のぎりぎりまで入れるので、吹雪いてきたら逃げ込める。
「今年もこういう季節がやってきたんだなあ」とヒツジ。
そうか、そういう季節か、北の国では、それを早く知る。
とか思いながらパックロッドを握りしめておりますと。
ゴゴン、グングングン。
慌てて、巻くと、ゴグン、ゴグン、ゴグン。
パックロッドなので、かなり抵抗感がありました。
アイナメでした。30センチぐらいあります。
シーンと静まりかえっている漁港なので、反応がより鮮烈。
ビビビビビっとアタリ。
そのままツツツゥーーっと巻いてきたらこの子。
頭の大きなシマシマ。ヒツジが言うには、ギスカジカ仲間ではないかとのこと。
北の国の、全身タイガース! なのでした。
しかし、このあとカワハギは来ませんでした。
魚のアタリは、他にもありましたが、釣れたのは2尾だけ。
次第に北西風にのって粉雪が吹いてきます。
堤防に置かれた三角ブロックを背中に居ましたが、耐えられなくなってきた。
ひとり、あとから、釣り人が来られて、その方は岩手ナンバー。
励まされたようで粘ってみましたが、足と手の指先が厳しくなってくる。
もう、そろそろ、いいかな。
青森市内への帰り、寄ってみたのが、浅虫温泉の元湯・総湯。
すっかりクセになってしまっている源泉かけ流しの公衆浴場であります。入浴料350円。
ギンギンに熱い、噛み付かれたように強烈、そして快適。
「これぐらい熱くないと、うちのお客さんたちは嫌がりますもんね」と女将さん。
外は零下、なっとく、かじかんだ指先はもどり、身体はずっとポカポカでした。
すっかり鋭気が回復。
昨夜マスターとママからいただいた、おみやげを雪に置いて撮ってみる。
林檎、柿、洋菓子風に仕上げられた干し柿。
津軽の土、水、そして人。ありがとうございます。
後ろ髪引かれる想いで、ふたたびはやぶさ号に乗ったのでした。
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