2018年10月28日日曜日

栃木県 里山めぐり2018秋

山間も色づいてきたかなあ、と、仕事終わりの午後、ぶらりと、栃木県の北辺へ。


クルマのある場所までの途中、JR赤羽駅のホームには人だかり!

ニュースで観たA.I機能を備えた駅売店がオープンしていたのでした。

なんでも、お客が手に取った商品をカメラで把握して、支払いはカードでOKとか。

新しいモノ好きの方々を仕切る「最後尾」のプラカードを見て、人気ラーメン店みたい!


飲食を手にして、出口で、各種カード(おそらくスイカとかパスモ)をタッチ。

これで、クリアできるので、駅の売店の渋滞を避けられるという触れ込みでした。

たいへん効率的なようですが、しかし、ふと考えさせられることが、、、、。

普及すれば、売店の店員さんが要らなくなる、70歳雇用が叫ばれる昨今なのに、

これがA.Iなのか? みたいな。


陰気なことを考えても仕方なく、自宅を出発して東北道を走り、西那須野塩原ICを出る。

近隣、もみじ谷大吊り橋、の看板に惹かれて、通行料を支払って渡ってみました。

じつは、那須高原には幾度か来たことがあるのですが、塩原はよく知らないのです。

いまだ、紅葉には、浅し、早し、ぐらいの塩梅ですかね。

吊り橋の途中で引き返してきましたら、↓駐車場のおみやげコーナーは充実でした。


栃木県は、じつは、農業大国だと思うのですね。

広い関東平野と長い日照時間、海なし県なので、塩害にも無縁のようです。

いいところなんです、と言わんばかりに、秋の収穫物が目白押し。

名物とちおとめ、は、さすがに季節柄、アイスやジャム、ジュースで売られていました。


あっ、これはキレイ!

おもわず目を停めてしまった鑑賞の柿、といっても食べられますし、やがて大きくなる!

つい、ひと鉢購入しそうになりましたが、我が家の住宅事情を考慮して踏みとどまる。

観光バスで来て、一杯入っていたら、勢いで買ってしまいそう!


箒川に沿って遡ると、塩原の温泉郷へ。

山間に入り、河岸の傾斜は、すこしづつ色づいてはきていました。

川端の駐車場には、数台の釣り人グルマが停まり、釣り談義が盛り上がっています。

エサ釣り禁止の、フライとルアーのエリアでした。


↑どんな魚が居るのでしょうか、エサ釣り可能エリアもあるんですかね。


駐車場下は、多くのギャラリーの視線にさらされます。

スター型釣り師には、最高のステージかも。

正直なハナシ、初めてフライフィッシングというスタイルを見ました。

糸がまるでムチのようであり、そのムチが生き物のように飛んでいく!?

穴のあくほど眺めていたせいか、魚たちも警戒したのか、反応がないようでした。

西日が傾いてきたので、いつも通り、コンビニ経由の、道の駅へ、、、一杯のち爆睡。


コケコッコォーーーーーッ!

停まった道の駅は「那須与一の郷」という名称でした。

那須与一、弓の名手ですね、船上に掲げられた扇を撃抜く凄腕の坂東武者。

私の故郷にも、熊谷直実という坂東武者がおりますが、

源平の頃は「あづま男と京女」のように、関東の男は、カッコよかったのですかね。


さて、今回のハイライトのひとつ、八溝山の登山口まで来ました。

頂上には、八溝神社が祀られているそうなので、山門としての鳥居が架けられてました。

鳥居をくぐり、ハンドルを握りしめること約30分、いやはや、肝を冷やす道筋の数々。

というのは、思ったよりすれ違うクルマが多くて、ギリギリの道幅のカーブ道でした。


標高1021mの八溝山、展望台から西南を見下ろす。

晴れ渡っていると、こちらの方向には、富士山、東京スカイツリーまで見えるとか。

そこまでは望めませんでしたが、関東平野の北端かつ頂上へ到達。

ここからの眺望は、ぐるり360度近くという佳景でした。



八溝山神社に、願掛け。

時の施政者たちの多くが、ここまで昇ってきて、お参りをしたそうです。

たいへん便利な時代になってしまい、秘境もクルマでひとっ飛び。

でもクルマがあるから、軟弱モノもここまで来れる!


八溝山は、栃木県、茨城県、福島県の県境なのですね。

つまり、頂上付近から北側は、みちのく、ということになります。

いわきナンバーのクルマがずんずん上がってきてましたが、

道の状態は、かなり険しそうでした、、、、4駆ばかりなので、そう推察。


再び、栃木県へと下る道筋、ズバっと開かれた山肌を通る。

木が伐採されて、運び出されておりました。

なんでも最近は、輸入材より質のいい国産の樹木が見直されて、

国内の林業も一部の地域によっては活気を取り戻しているとか、、、よしっ!


うわっ。

おもわずクルマを停めてしまった道端の呼び掛け看板。

インパクトはありますが、交通標語なのか、それとも俺のSOSなのか。

いろいろ考えていたら私も危ないので、運転に集中しました。


こうしてドライブしてますと、道端にはいろんな碑や塚が現れます。

長い時間のなかで、いろんな出来事、悲喜こもごも、力つきた旅人。

街道の辻の付近は、普遍的な目撃者だったのでしょうね。

つい手をあわせたりしてしまうのは、秋の深まる頃のドライブだから?




収獲を終えた苅田には、藁ぼっち。

私の故郷では、この藁ぼっちを作る農家も少なくなったため、つい撮ってしまいました。

藁ぼっち、片付けられたカカシ、野焼きの紫煙、赤トンボ。

鼻の奥がツンとして、泪目になるのは、やはり、煙のせい?


山を降りて、田を抜けて、黒羽の街まで来ました。

古い城下町を南北に、那珂川が流れています。

松尾芭蕉が奥の細道のなかで、14日間も逗留したことで、俳諧ファンの来訪も多い土地。

クルマが横付けできる河岸に降りて、一帯を散策。

秋の陽のもと、釣り竿を振る方々も居て、ウキウキして参りました。


 また、黒羽は、関東の釣り人の間では人気の鮎の街として知られています。

鮎を生きたまま販売する魚屋さんもあって、つい足を停めてしまいます。

「あゆチップす」をついつい買ってしまいました。

鮎の持つ香り、そしてホロにがさも活かされた不思議なチップスでした。


当初、じつは、一日釣り券を購入して、釣りをしてみる目論見でいました。

短く仕舞える川釣りの竿をしのばせ、エサのサシも買ってきたのですけどね。

しかし、見える魚(おそらくウグイ)がみな細くで、痩せている印象が強い。

おそらく、今年の大きな濁流が、川の栄養であるコケを洗い流したのではないか?

それなら、このエサを流して食べさせてあげようという気持ちになりました。

痩せウグイ 負けるなまこぶさ これにあり 

あ、芭蕉とは違う著名人のパクリですね。


黒羽の観光名所になっている那珂川の観光梁に行ってみました。

さすがに、鮎も終盤になり、お店は閑散としていました、当然ながら。

むむむっ、黄金の鮎、エルドラド、ゴールデンリバー伝説みたい。

盛期の鮎の姿、深草色に金色を思い起こすこと、しばし、、、また来年ですか。


梁の傾斜に、ぽつんと佇むシラサギ。

諦めきれぬ、秋の風、また来年の夏の光かな。


おみやげに買ったそば。

栃木県は、そば王国でもあると、私は思うのですね。

とくに、太さがまちまちに乱切りされる、素朴な田舎そばが人気のよう。

仙波そば、出流そば、そこへは日光のそば粉、、、ブランドも成功してます。

帰ったら、茹でるのだ ↓出来上がりはラストにあります。


黒羽の小さな広場に植えられていたコキア(ほうき草)

陽当たりのよい場所のせいか、モコモコと大きく育っていました。

見た目がとても愛らしいので、私も植えようかと考えていましたが、

このサイズでは、猫の額の庭には無理、鑑賞だけで納得させました。


黒羽八雲神社の境内には、巨大なケヤキ。

坂東武者輩出の時代から、関東では最古クラスの普請を誇ってきた黒羽町。

いやはや、河岸、街並、城趾、どこを歩いても、しみじみ響く歴史のたたづまい。

パッパと駆け足でめぐるより、芭蕉のように2週間ぐらい居てもいいぐらいです。


では、ここに腰掛けなさいと、サルのコシカケが生えていました。

なるほど、ここに腰掛けて境内を見上げていれば、なにか、ご利益もあるものか。

思索を促す秋の夕暮れには、ふさわしいシチュエーションですね。

というワケにもいかず明日は早朝出勤、東北自動車道上り線に乗り、帰宅したのです。


おみやげの田舎そばを茹でて、肉そばにしました。ねぎは、当然、深谷ねぎ。

おつゆは、熊谷うどん風、どんな感じかというと、甘く、しょっぱい。

あまじょっぱい、という表現がぴったりなのです。

太めのそばなので、この、いかにも、関東の、北関東な、あまじょっぱい、があう。

と、自画自賛のそばをすすりながら、一杯、そして早々にまた爆睡でした。

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