♬♬上野発のはやぶさを降りた時から、トヨタレンタは駅の前〜〜っとくらあ。
といっても今日はまだ酔ってません。マジです。運転がありますから。
また来てしまった新青森駅。
悲しくても、嬉しくても、辛くても、来てしまう津軽・青森。
仕事が終わり、あるったけの荷物と道具を抱えて触れ合う詩情の青森。
どうしようもなく、この想い。こころの支え、こころの糧、来てしまう津軽なのです。
新青森駅からほんの30分も走ればこの光景。
早苗を植え終えた津軽平野。
立ち止まったまま、ずっとこのままでもいいやと思ってしまいます。
そして岩木山。平野のなかに雄々しく裾野を広げる姿。
西日を浴びて風に揺れる葦の穂が一層の郷愁を、、、、、、、、。
♬♬お岩木山よぉお、おお、おおおお、、、と叫びたくなる気持ち。よく解ります。
陽はずんずん暮れてしまい、お願いしていた宿の到着はすでに闇。
ワンワンワンワンワンワンワンワオーン→朝の新バージョン。
ニャーゴ、ニャーゴ、ミャオオオオオオ→こちらも朝を告げる新バージョン。
宿には柴犬と猫2匹が居ましたので。宿は十三湖の湖畔にありました。
ご主人と息子さんはしじみの漁師さん。船はまだつながれたまま。
出船前なのに、なぜ柴犬と2匹の猫は騒いでいるのか?
下手人はこちら。
釣りをしているオッサンがひとり。宿の前で。黙々と。しゅぱーっとか、投げてるし。
よく見ると同行してきたヒツジ=釣り執事でありませんか!
私に抜け駆けして、なんという、、、、、、、熱心なことですね。
ヒツジが、ばしゃばしゃと岸辺に寄せていたのはウグイ。
「びっくりしたあ、サクラマスかと思った」
ヒツジは、すべからく、物事をハッピーなほうに考える。アオムシで鱒が釣れるのでしょうか? でも、ポッテリした体格のいいウグイでした。水に戻すヒツジ。
宿のおかみさんによると、この一帯では、ウグイもすり身にして食べるとか。
とてもいい出汁がでるそうです。
ウグイしか釣れなかった早朝を終えて、朝食。
十三湖といえば、しじみ。見事なしじみ汁であります。昨晩もしじみ。しじみづくし。
ひとすすりするだけで、五臓六腑に浸み渡ります。
津軽は、お酒を召される方もたいへん多いですが、そのためのしじみ。しじみ汁。なんだか、このしじみ汁によって、肝臓の好バランスを保っているようなしじみ。
作っていただいた小鍋を、すべて食べてしまいました。しじみ習慣。始めますか。
宿を辞して、十三湖の河口に来ました。日本海との接点です。
地元の常連の方々の注目は、セイゴ。チンチン。津軽の初夏は、この2魚とか。
みなさん、ウキ釣りです。
仕掛けを投げていたのは、私たちぐらい。
底はまだ冷たくて、青い藻が多く、釣り辛いのだとか。それでも投げてます苦笑。
右隣のオジサンと会話も弾んで、いろんな地域情報を聞き入れる。
小舟の人が櫓を操っていますが、こちらも仕掛けを流してセイゴを狙っているとか。
釣れてきたセイゴは、ほんとにセイゴ。少年スズキでした。
宮城県では、セッパと呼ばれたりしてましたが、津軽ではセイゴで通じました。
これからの、フッコやスズキの遡上の前触れとなれば、いいですね。
河口の東側に広がるのは、七里長浜の砂浜。こちらも雄大です。
キスの引き釣りの本州北限付近として、昔から大変な人気の場所とはヒツジ。
しかし、本格的なシーズン到来はもう少し後なのだそうです。
ハマヒルガオの群落。
津軽も六月でした。夏はもうすぐなのですね。この花姿を見ると、
汗を拭って竿を持つ季節が、今年もやってきたなあと感じつつ、、、、、、、。
十三湖を辞して津軽半島を北上。
小泊から三厩(みんまや)に抜ける林道を走りました。
新緑の揃った原生のふところへ。ヒツジはちょうど30年前に通って以来とか。
その頃は竜飛岬へ通じる国道がまだ開通しておらず、この林道をトライしたそうです。
林床からの傾斜に繁茂する、大きなフキやシダ。
山菜の宝庫のようですね。実質、時折、軽トラックが止まっていて、ご夫婦で来られた採集者の方々とすれ違う。
道端で大きな猿を見かけましたが、静かに離れていったり、、、。
幾つもの、小さな滝もありました。
木立からは、早くもセミの声が聴こえてきて。
津軽の林道が、山深く、高度もあることを告げてきます。
ゆっくり、ゆっくりと走っていきました。
山肌をつたう一滴が集まり、ささやかな流れがやがて沢になってくだっていく。
聴こえてくるのは川の音とセミの声だけ。まったくもって、贅沢な空間です。
川は海に近づいても、水は澄んだまま。
橋の上から水面を眺めると、遡上してきた魚の影がちらほら。
見ていて、飽きないものであります。
海へ出ました。快晴です。薄暗い林道から出てきたので、ひときわ眩しく。
ドピーカンの津軽海峡は、すっかり夏の海のように見えました。
平舘へ向けて。
半島の海際をなぞりながら走る道すがら、高台から岩場への展望が開けていました。
対岸にうっすら見えるのは北海道でしょうか。
岩場には釣り人が2名。↓あとで、マスターからクロダイ狙いではとのご指摘。
辿り着きました、浜乃食堂。平舘港ちかく。
私の津軽へ来る拠り所のひとつ。真昼に撮ったのは初めてです。
シンプルなたたづまい、ぶっきらぼうな暖簾と提灯、ノボリ、自販機。
朝食、昼食、夜の部。すべてある、津軽のともしび、浜乃食堂なのです。
4度目の入店!!!
突然の襲撃に? 驚いたのもつかの間、こころよく応えてくださるマスター。
料理長=ママは、さっそく厨房に入っていきました。そしてマスターの手際のよさ。
私の顔を見るなり、いきなりハイボールが作られているではありませんか!
運転手はヒツジがいますからね。今日の行程を説明しつつ、津軽人との交歓。
私の注文した「肉野菜炒め定食」
マスターとママは野菜づくりも手がけており、今年の目玉はメロンなのだとか。
ハイボールに酔う前に、おいしいご飯もいただくなくては、、、、、、、、。
前回は、正気を失うほど、、、、同じ轍を踏まぬように。
ヒツジが注文したのは味噌ラーメン。
抜群の味噌のコク、厚いチャーシュー、タマらん内容だそうですが、右隣に注目。
料理長の超がつくサービスの海鮮丼なのですが、載っている真鯛は、昨日、ふたりで釣ってきたもの。ひと晩たって、絶妙な硬さと脂分なのでした。
獲れたて魚の港の近所、ふたりは釣り師(厳密には黒鯛師)語り合うと時間が経つのも忘れる楽しい空間。おなかもこころも一杯に。
なお料理長の勇壮な釣り姿はこちら↓『浜乃食堂ブログ』をご覧くださいまし。
http://hamanoshokudou.blog.fc2.com
浜乃食堂で、目一杯の昼食をいただきマスターとママに辞して、青森へ戻る。
途中の蟹田港にて、ちこっとだけ竿を出す。
ちょうど、脇野沢へ向かうむつ湾フェリーが港を出てゆきました。
くんくん、プルプルとアタリを感知。
しばらく待ってもう一度竿先を動かすと、クンクン。
ゆっくり巻いてくると20センチぐらいのマコガレイがついていました。
掛かりが浅く、海へ返すと、一目散に海底へ。ヨカッタ、元気モノ。
蟹田町の町内を流れる蟹田川の河口へ移動。川のなかに投げます。
こちらもゆっくり探っていると、ビビビビっというアタリが。
ビビビビ、ビンビンっと結構なアタリです。これはなにか?
浅い水面に浮かびあがったのは、またカレイ。
ちいさいけれど、イシガレイ。こちらもなかなかの元気ものでした。
途端に色めきたったヒツジ。
「この川は、まだイシガレイを育てられる川だ」
とても感慨深げに、イシガレイの健在を眺めていました。こちらも水面へお戻り。
なんとなく溜飲もさがり、また新幹線の時間が心配にもなって納竿。
新青森駅への帰途、ふと道端にクルマを停める。
広大な青森平野にはすでに、長大な高架線路が縦横に伸びていました。
来春開通予定の北海道新幹線です。はやぶさ号はいよいよ海底トンネルをくぐり函館へ。
この開通が、津軽半島にもどのようなことをもたらすのか。
また来よう、また来たい。それが津軽。駅への道を急ぎました。
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