2018年11月11日日曜日

紀伊ハンター2018 

秋深まり、胸そぞろ。三重から和歌山、思い立ったが、行くのです! 半島時計回り。


コケコッコォーーーーーッ。

って、これはサギや! 

でね、朝の風景から始まります。

ひと晩かけて走ってきて、尾鷲北インターを下車、しばしの仮眠から目覚めたところ。

ふと目に入った川なかに佇むアオサギ、とても癒されます。


まずは、新鹿(あたしか)の渚で1投。

2015年の9月、この砂浜と河口でシュノーケリングをしました。

三方をコの字形に囲まれた海岸と集落、渚の美しさ、注ぐ川水の透明度。ゆらゆら帯。

水中には、キスの大きな群れ、逃げるヅガニ(モクズガニ)の姿、、、楽園でした。


この日も、海水を触ってみたところ、まだ泳げるぐらいに温かい。

湖のように静かな水面とあって、長靴でジャブジャブ歩きながら、探り歩きました。

釣り人は、私らの他に5人、でも広い渚でお互いに離れてるので、どんな塩梅なのか?

それを知る、知らないことに意識しないぐらい、居るだけで癒される、新鹿の渚でした。


しかし、こころ奪われる砂浜とは裏腹に。

現れてくれるのは、こちらの皆さまのみ。

二度ばかり、ブルッ、ブルブルブルルンっっっっと、ときめく衝撃はありました。

乗ってきてくれません、針が大きいようですが、小さくすると呑まれてしまう私の腕。

ま、小さい仔は、どんどん食べてくださいねと、寛容な気持ちになる、紀伊の里海かな。


新鹿から、尾鷲へ戻った入江の集落が、三木里。

親水公園がつくられて、川が流れこんでおりました。

こちらも、こころ奪われるほど美しい水、、、むむむっ? あれは?


おおおおおっ、チヌの集会が行われていました。チチチチっ、チヌや、と興奮。

別段、なんか食べている様子もなく、集まって、ほんと、ボヤっと浮かで、泳いだり。

海の水がまだ温かい、いえ、魚たちには暑く感じられるぐらいでしょうから、

涼しい川水に癒されているのでは? そんな、まるで猫の夜会のような、あまりに長閑なチヌの集会のようでした。


浮いたり、遊んだり、集会中のチヌは、エサなど見向きもしませんな。

仕掛けの落ちた音に反応はしますが、ぱっと散って、戻ってきても、おとがめなし。

釣り竿を持った人の行動を、完全に見切っているのかもしれません。

掛かってくるのは、この仔だけ。ハタ類の、子どものようです。


背後には、紀伊の山々が見守っています。

山肌に茶色い部分が見えるのは、今年の強烈な台風の数々、塩害でしょうか。

赤松の茂る境内のほうからは、秋祭りの太鼓やお囃子が聴こえてきました。

尾鷲、熊野、、、日本の歴史の根源に迫るようなお腹に響く音と旋律。


お腹に響くといえば、ちこっとお腹も減った。

三木里の集落にある、軽食喫茶に入店、早めのお昼に焼きそばをいただきました。

ママさん(だと思う)にはふたりの息子さんがいらっしゃり、現在、東京暮らし。

帰省はクルマで、概ね6時間30分ぐらいで走って来るそうです。

高速道路が伸びたことで、遠かった尾鷲や熊野も、関東から1泊2日コースでしょうか。


三木里のお店を辞して、国道42号線の時計回りを再開。

同地域の世界遺産登録を受けて、道すがらの施設なども新装、整備が進んでいました。

鬼が城のお店展望台から見えた、二岩は、魔見ヶ島という名称。

海蝕による奇岩、珍岩の連続するなか、黒潮洋上に並ぶ大きな獣のようです。


御浜(みはま)で、投げました。熊野市から西端の鵜殿まで続く雄大な海岸線。

そこで、七里御浜とも呼ばれています。箱根は八里、御浜は七里、、七里八里はいづれも規模の大きさを強調して現わす表現なのでしょうね。

玉砂利で、長く続く美しい渚は、関東では、沼津や、富士の海岸線のループに似てます。

時々、高い波の振幅があり、長靴がないと、スニーカーでは足元がアウトでした。


海中は、この仔が凄かった。

どこへ投げても、コンコン、キュンとなります。

チャリコ以上、小ダイぐらいの? 微妙なサイズで、針が呑まれたのは4尾。

海水氷に入れて、お土産といたしました。


陽が沈んでくると、波は次第に穏やかに。

チャリコ以上、小ダイのアタリはさらに勢いを増してきて、、、、。

その後に、様子を見ていた親鯛たちがきっと掛かる、という目論見は当然外れて。

やはり、チャリコ以上、子ダイのアタリしかないため明るいうちに終了。


鬼が城の根元に作られた、木本港の堤防に上がってみました。

海面からの高さに、私なぞは、まず、釣り不可能、さらに岩肌にはたくさんの釣り師の方々。ご当地の磯釣り人気を充分感じ取ることができました。

さらに、堤防中央で、ぱっくり開いた、クレパス状の割れ目にあぜん。

風波という、自然の脅威を見せつけられまして、ここに落ちたらと思うと夜も眠れず。


でも、夜が来ると眠くなります、道の駅。

近隣のどさんこでお世話になり、クルマに戻ってシートを倒す、カーナビでTV鑑賞。

ちょうど、この日なのでした、、、ええええっっっ、まさか、このまま、、、?

これで終わっちゃうなんて、あまりに、ええええええええっっ。巻き返し、なし!?

しかし、来年こそ!!! 悲願の日本一に!!!


コケコッコーーーっ。

目覚めて、解る、道の駅の名称、さすが世界遺産、抜群の整備環境でした。

道の駅・星3つ、とか出来たら、地方創成が活気づくかもですね。

しかし、先立つモノも必要でしょうから、、、難しいところです。


道を渡って、御浜を見て、びっくり!!!

だいたいの間隔を置いての釣り師の方々、みな長めのルアーロッドを振っていました。

近くの少年にうかがったところ、ブリの子どもが釣れている!

関東でいう、ワカシ以上、イナダ未満ぐらいが、ターゲットの様相でした。

「隣りの父が2匹釣りましたが、小さいので逃がしました」ということでした。

毎日でも、こうして釣りのできる熊野市の少年は、世界遺産を釣る!


熊野川にかかる橋を渡って、和歌山県に入る。新宮市です。

大きな渚を形成する源と言えるのが、熊野川を流れ下ってきた岩、そこから強い波や潮で転がされた砂利たちという感じでしょうか。

紀伊半島の、山、川、海の、基軸にも思える流れです。


御浜は、和歌山側では、王子が浜、と呼ばれています。

熊野川河口を中心に、西側サイドという位置関係でしょうか。

日本の創世記の、王子、御子にまつわる数多くの言い伝え、ゆかりのある海辺。

こちらも豪壮な、黒潮ながれる、本州最南端付近の迫力いっぱいな浜でした。


すぐアタリがあって、ゴンゴンゴンゴンと首を振る。

砂利の斜面をずるずると引きずってくれば、ヘダイの姿でした。

それも群れで居るのか、間髪入れず、ゴンゴンゴン、そして、ゴクゴクゴクっと首振り。

サイズにすると21センチ以上25センチ未満、だいたい、同じ年頃のグループですかね。

あっ、これは違う、と思ったら、ニベも掛かってきました。

ヘダイをしげしげ眺めると、若魚のせいか、タテジマの装いなのですね。

この子も、全身タイガース!!! ではないですか。針呑まれで3尾お土産に。


ヘダイは、波の盛り上がる付近に、群れていました。

運良く、もうひと伸びすると、ニベになりました。

波気配があるせいか、魚たちに警戒心がないみたい。ごめん、と謝ったりして。

いづれにせよ、物凄い魚影に、圧倒されて、圧巻の、王子が浜でした。


国道42号線をさらに潮岬方向へ。

今回の釣行で、いちばん楽しみにしていた古座川の河口で投げました。

2015年9月では、観たことのない大きなチヌを取り逃がしてしまい、口惜しい思い出。

また晩秋には、口のオチョボ口な、大本命様でも有名なようです。

歴史ある集落を竿道具を持ったまま移動するなど、あちこち、がんばってみました。


掛かってきたみなさま。チャリコ以上小ダイ止まりは、変わらず。

このサイズは、晩秋の紀州のメジャー魚種のようで、それこそ湧いているよう?

怖いぐらいの入れがかりになってしまいました。

そして、ダイミョウサギの仲間、、、これもオチョボ口だけど、カタチがかなり違う?

こうして古座川に少々長く逗留してしまったので、帰りの渋滞が心配になってきました。


串本に近づき、観光の目玉、橋杭岩をちら見。

夜はライトアップされて鮮やか、かつ、幻想的であるとニュースで知りました。

たいへんな人気で、駐車場は満員、時間も危ないし、横目で通過。


エサはまだある、ということで、串本港で最後の釣りをしようと。

しかし、お休みとあって、カゴ釣り(ウキ&マキエ&カゴ&サビキ)の方々で満員。

どこか空いてないか、港内をウロつきながら、でも、もういいかな? と思ったりも。

でも、本命様も、大本命様も、姿を見れない紀伊半島では、ちょっと寂しいのでは、と。


2015年9月に竿を出した護岸になんとか空いたスペースを見つけて竿だし。

左手に見えるのが、ループ橋でつながる紀伊大島です。

この場所は、根がかりが多かったことを思い出し、サビくのも、ちびりちびり。

いえ、ほとんどビビリながら、静かにしておりましたら。


その2投目でした。

ブルっときた、ゾクっとした、巻いてくる、やったぁーーー本命様でした。

体格もよく、計ると23センチ弱、掛かりも浅いので、水汲みバケツでも元気に泳ぐ泳ぐ。

これなら、戻せると判断、あっと言う間に、串本港の海中へ消えていきました。


本命様のお顔拝顔、納得、大満足、あとは無事に帰り着くのみ。

周参見の道の駅で、めかり寿司と猪豚生姜焼き寿司を購入、つまみながらハンドル握る。

田辺から熊野古道、本宮経由、奈良に抜ける道を初めて走ってみましたが、長かった!

橿原、高田の大渋滞の恐ろしいこと、東名を走る頃には、トランス状態。

でも、楽しかった、見所満載、サイコーです、紀伊半島の釣り旅!

↓こちらの紀伊ハンターアーカイブもよろしければ、ポチっと。

●紀伊ハンター2015(新大阪発、釣り師の夢の楽園、川湯つき)


●銚子川2016(10月の川で泳ぐバカモノと黒ヒツジの大型ガレイ情報オマケつき)


●紀伊ハンター2017(日高川河口でチヌ、キチヌ乱舞&冨田川ヘダイ、国道B級グルメ)



●ムスコと南紀白浜フツー観光(社会人2年目の長男と奮発あの館へ)


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