顔を含めて上半身がカワハギ。
下半身はまるでブリかアジのような回遊魚。
こんな不思議な魚が、江戸川を昇ってくるのも不思議なのですけど。
羊頭狗肉か? カッコよく言えばケンタウロス?
2尾とも針を飲んでしまったので、締めて、いただくことに(前回までのあらすじ)
せっかくの、定休日。
本音を言えば、釣りには行きたかった。
東京の空は、なんとか降らずに持ちこたえていました。
ポークとビーフ、さらにチーズを発泡させてのツマミ。
用意をしていたのですが、結果、釣りを諦めて調理をいたしました。
ギマは、未知の魚。
猛烈なノメリをじゅびじゅびと抽出するため、冷凍しておきました。
そこを解凍したのですが、ノメリは減っていない。
さらには、ノメリを増長するような血糊が激しいのですね。
施し方が、根本より間違っているかもしれません。
ただ、未知の調理のため、ネット検索した情報を頼っての、方法論でいきました。
初心者は、キモを解いての、味噌汁がいいとかで。
カワハギと等しく、皮を剥ぎました。
まるで、アジのような、ギンギンギラギラのボディが現れました。筋肉質。
これはイケるのでは?
ところが、ノメリが凄い。ねばねば、にちゃにちゃ、なのです。
どういうことだ?
キモも、美しく、さくっとしていました。
いい感じです。カワハギやんけ。ちょっと血糊が気にはなりますが。
ネット検索の調理法では、このキモをまず溶いて、身を入れて、味噌も溶く。
長ネギを入れて、煮沸させて、ひと立ちしたら、いただく。
とても、いい感じだと思ったのです。ここまでは。
完成。
ギマ2尾を丸ごと使いました。
「これは、相当に濃厚な味噌汁」
ヒツジ(釣り執事)も腕に大盛りで汲み上げて期待のほどが解りました。腹ペコでした。
ひとすすり、ふたすすり、ところが次第に、うぷぷぷぷぷぷぷ。
なにが、あったのだ? 私もすすってみて、うぷぷぷぷぷぷぷ。
ノメリと血糊の、臭味が、まったく消えていないのです。
脂肪? 油分? 味噌汁に、山吹色に浮かび上がるラード?
強烈なトロミというのは、ギマという魚の特徴なのでしょうか。この個性に脱帽?
ヒツジ曰く。
「ギマは、ナメタガレイのような、すごく濃い味の煮付けのほうがいいかもしれん」
確かに、、、同感かも。醤油、酒、みりん、砂糖、生姜、で、きっちり煮詰める!
上半身がカワハギ。
下半身がブリ。
東京湾の、そのまた奥の川の中まで入ってくる魚は、ひと筋縄ではいかないようでした。
うぷぷぷぷぷぷぷぷ、は、翌日の朝、翌日の昼まで、尾を引いたような。うぷぷぷぷ。
ところでこちらは、同時進行で練習中のイカゲソ揚げ。
スルメイカの足(ゲソ)を使っています。
コロモは、小麦粉50と片栗粉50の半々。
少しづつですが、八丁堀の巨匠の食感に近づいているような。独り悦に入る自画自賛。
コロモの、カリっと感覚を、もっと勉強して突き詰めなければなりませんけれど。
このたび、改めて感心したのは、この方。
先々週の三崎港で針を飲んでしまった(私の腕のせいで)メゴリン。
またの名を、ネズさん。
うまし! うまし! うまし! 肉の質が違うといいますか。やっぱ旨いわ。
江戸前タネの究極は、シロギスやアナゴではない。
メゴリン、あなたではないのか!!!!
とか、ギマさん調理の敗残の口惜しさを、ぶつけてしまったメゴリンの、うまし!!!
ノメリも、冷凍で、メゴリンはしっかり取れてたし、、、、うまし!!! 回復。
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